JTBとソフトバンク、訪日中国人取込で提携、アリババで商品販売

  • 2015年10月28日

 ジェイティービー(JTB)とソフトバンクはこのほど、訪日旅行ビジネスに関して戦略的事業提携契約を締結した。ソフトバンクは新たに100%出資の旅行会社を東京に設立し、訪日中国人旅行者向けの旅行業に参入。新会社の名称は未定だが、すでに第2種旅行業登録を済ませたという。訪日中国人旅行者においてもFITの割合が年々増加していることを踏まえ、人気の高いゴールデンルートに加えて地方への送客にも注力する。

 今後はi.JTBがソフトバンクの新会社に旅行業のノウハウを提供。JTBグローバルマーケティング&トラベル(JTBGMT)と協力しながら商品を供給するほか、新会社と共同で独自商品を開発する。ソフトバンクは2020年度の目標売上高として200億円を設定しており、JTBは同年度の訪日旅行の目標取扱高2000億円の達成の後押しとしたい考えだ。

 11月11日からは、ソフトバンクが出資する中国のアリババグループの旅行販売サイト「Alitrip(阿里旅行)」に、新会社が専用の旅行サイト「日本汐留旅行旗艦店」を出店。国内旅行商品や宿泊施設の予約、イベントなどのチケット販売、WiFiルーターなどのレンタルサービス、クーポンや観光情報の提供などをおこなう。

 また、旅行者がダウンロードした「Alitrip」のスマートフォン用アプリケーションを通して、訪問地の観光情報の発信やクーポンの提供などをおこない、実店舗への送客も推進。決済にはソフトバンク子会社のサービスを活用する。

 そのほかには「日本汐留旅行旗艦店」とソフトバンクのグループ会社であるヤフーが連携し、訪日中国人旅行者が旅行前や旅行中に日本でのさまざまなサービスを利用できるようポータルサイトの「Yahoo! JAPAN」へ誘導。帰国後も、「Yahoo!ショッピング」などに送客し、日本の商品の購入などを促す。すでに中国以外のアジア諸国などへの展開も検討しているという。