アメリカン航空、羽田発着枠没収案に反論、来春までの就航延期を要請
アメリカン航空(AA)はこのほど、デルタ航空(DL)が米国運輸省(DOT)に対して要請したAAの羽田発着枠の没収について、反論する文書を提出した。同発着枠はDLが2013年から羽田/シアトル線として利用していたが、前回の冬ダイヤでほぼ運休していたことから、AAとハワイアン航空(HA)が再配分を要請。DOTは条件つきでDLに発着枠を残したものの、DLは路線維持の条件の厳しさを理由に今年9月末で返上したため、10月以降は60日以内に運航を開始することを条件にAAへの配分が決定していた。
しかし、AAが代替路線として発表していた羽田/ロサンゼルス線について、未だに運航スケジュールを申請していないことや、航空券の販売を開始していないことなどから、DLは「AAには就航の意志がない」と主張し、発着枠の没収を要請していた。
今回の文書でAAは、羽田/ロサンゼルス線の就航に意欲的であることを改めて強調。最近ではAAの役員が来日し、日本の国土交通省航空局(JCAB)や関係者とミーティングを実施したほか、DOTなどの関係機関とも連携して就航に向けた活動をおこなっていることから、「AAはあらゆる手をつくしている」と主張した。
一方、運航を開始できていない理由としては「深夜早朝時間帯のなかで、利用者のために乗り継ぎも含めた合理的なスケジュールの獲得に努めている」ものの、「採算の合う時間帯の発着枠をJCABから取得できていない」と説明した。
このほかAAは、10月1日から60日以内に運航を開始するという条件について、16年の夏ダイヤまで延期するようDOTに要望。「AAと米国政府、日本政府が有益な解決策を見つけ出すための時間」とし、16年の夏ダイヤ以前に採算の合う時間帯の発着枠を取得できた場合は、すぐに運航を開始するとした。
なお、AAは10月7日時点で、本誌に対して「実現可能かつお客様に便利に利用していただける発着枠を取得するため、関係当局と緊密に連携して対話を進めている。AAにとって羽田空港は、日本のお客様を迎える重要な拠点で、今後も継続して就航に向けて注力していく所存」とコメントしている。