石井新大臣、訪日2000万人に向け「備えに万全期す」-新三役決定
10月7日の内閣改造に伴い新たに国土交通大臣に就任した石井啓一氏は、9日に専門誌向けの記者会見をおこない、今後の観光立国推進に向けた取り組みについて「受入環境の整備を加速化し、まずは2000万人時代に備えて万全を期す」との考えを述べた。石井氏は「今年中にも年間訪日外客数が1900万人に届く」との見方を示した上で、6月に改定した「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」に基づき、空港容量の拡大、宿泊施設や貸切バスの供給確保、無料のWiFi環境や多言語対応の拡充、空港や港湾におけるCIQ体制の充実、地方における免税店の拡大などを進める旨を説明。また、ゴールデンルートへの集中を避けて、全国各地への送客に注力する旨も語った。
首都圏空港の機能強化に向けては、成田国際空港の第3滑走路の建設計画の具体化や、20年までの発着枠8万回分の増加などに向けて「関係自治体と連携して協議を進める」と説明。増加傾向にある民泊については、7日の就任会見の際と同様に「個人的には面白いアイデアだと思う」とコメントした上で「事業として営む場合には、防火対策や治安の確保、周辺住民とのトラブルなど課題がある」と指摘。「適切なルールのあり方について、消防庁や警察庁などの関係省庁と検討を進めたい」と述べた。
なお、新内閣は同日の午前に閣議を開催し、国土交通省の新たな副大臣と大臣政務官を決定。いずれも自由民主党からの新任で、副大臣には参議院議員で自民党幹事長代理の山本順三氏、衆議院議員で国土交通委員会理事などを務める土井亨氏が就任する。両氏はともに同省大臣政務官の経験者。大臣政務官には衆議院議員の宮内秀樹氏、衆議院議員の津島淳氏、参議院議員の江島潔氏が就く。担務については9日夜の時点では発表されていない。