スペイン・アラゴン州、現地ツアオペが説明会-認知度向上めざす

  • 2015年10月11日

enDESTINO代表取締役のマリア・スーシン・シラック氏  スペイン北東部に位置するアラゴン州のツアーオペレーターであるenDESTINO(エン・デスティーノ)はこのほど、アラゴン政府観光局と日西観光協会の後援により、都内で旅行会社向けのセミナーを開催した。同社代表取締役のマリア・スーシン・シラック氏は冒頭で、2年前に日本人観光客の現地手配などを開始したことを説明。現在は年間150人から180人を取り扱っており、日本市場における事業をさらに拡大したい考えを示した。

 エン・デスティーノによると、アラゴン州は日本語のガイドブックなどでは取り上げられる機会が少なく、日本における認知度の低さが課題となっている。同社は今後、公式ウェブサイトでの情報発信や、日本のテレビ番組や雑誌などのメディアを活用した観光プロモーションを展開し、一般消費者に向けてアラゴン州を訴求していくという。

enDESTINOの細川桜氏  今回の説明会ではエン・デスティーノの現地スタッフである細川桜氏が、日本からマドリードに飛行機で到着後、アラゴン州を北上してバルセロナから日本へ帰国する最短で8泊10日のモデルコースを提案。南部の乾燥した赤茶色の大地が、北部に進むにつれて緑豊かな景色に変わっていく変化が楽しめるようにルートを設定した旨を説明した。

 細川氏はアラゴン州について「時間やお金にゆとりのある60代以上の女性に人気がある」と語り、「スペインの原風景が残る地域で、ファーストタイマーよりもリピーターにおすすめしたいデスティネーション」と強調。南部のテルエル県についてはサンタ・マリア大聖堂やサン・マルティン教会などで構成する世界遺産「アラゴンのムデハル様式の建築物」を紹介。そのほかには要塞都市のアルバラシンを紹介し、山の裾野に沿って広がる城壁に囲まれた街の、細く入り組んだ路地の独特な景観をアピールした。

 中部のサラゴサ県については、ヌエストラ・セニョーラ・デル・ピラール聖堂やアルハフェリア宮殿などを観光資源として挙げ、ローマ帝国やイスラム教、キリスト教などの文化が融合している点を魅力として紹介。高速鉄道のAVEでマドリードやバルセロナから約2時間でアクセスできる利便性の高さについても言及した。

 北部のウエスカ県については、ロアーレ城やオルデッサ・モンテペルディード国立公園などを提案。そのほかピレネー山脈の麓に広がる自然を楽しむハイキングなどを推奨した。