15年上期の宿泊業倒産は2件増の44件、負債総額は25%減

  • 2015年10月8日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、2015年上期(4月~9月)の宿泊業の倒産件数は44件で、前年比で2件増(4.7%増)となった。負債総額は25.0%減の175億8500万円で、東日本大震災関連倒産は5件。TSRによると、倒産件数は2件増となったものの、東日本大震災以降に増えていた倒産件数は減少傾向にあるという。負債総額については、小規模事業者の倒産が多かったことから、1件あたりの平均額は過去20年間で最も低い3億9900万円となった。

 上期の主な倒産としては、秋田県のぶなの森玉川温泉が民事再生で負債額22億円、石川県のワイエム企画が特別清算で16億円、熊本県の山海館が破産で7億6000万円など。倒産を形態別で見ると、44件のうち12件が特別清算だったという。

 9月単月の倒産件数は、前年の2倍に当たる10件となった。負債総額は40.8%増の8億7500万円で、東日本大震災関連倒産は0件だった。大型倒産は、例えば岐阜県の第一グランパレホテルが負債額20億1400万円で破産。青森県の大丸旅館は2億3000万円で破産申請をおこなった。

 なお、15年上期の旅行業の倒産件数は11.1%減の16件で、負債総額は69.1%減の11億4400万円だった。(下記関連記事)