新国交相に公明党の石井氏、首都圏空港強化などに意欲
内閣総理大臣の安倍晋三氏は10月7日、2014年12月に発足した第3次安倍内閣では初めての内閣改造をおこない、新たな国土交通大臣に公明党政務調査会長で衆議院議員の石井啓一氏を任命した。石井氏は今回が初入閣で、国交相は前任の太田昭宏氏に続き、2期連続で公明党から選任されたかたちとなった。安倍氏は同日の夕方に開催した記者会見で、石井氏を選んだ理由について「公明党で長く政調会長を務めた政策のプロ。その手腕に大いに期待している」とコメントした。
石井氏は7日夜に省内で開催した一般紙向けの会見で、震災からの復興や国土の強靭化などとともに、観光立国の推進を重点課題の1つとして挙げ、首都圏空港の発着枠の拡大や地方間交通網の整備などについて「しっかりと取り組みを進める」と強調。訪日外国人旅行者の増加による大都市圏などの宿泊施設不足については、旅館や近県の宿泊施設の積極的な活用を進める考えを示すとともに、それらの施設に関する情報発信にも注力するとした。
そのほか宿泊施設については、増加傾向にある民泊のあり方についても言及し「面白いアイデアではある」と述べたものの、継続的な事業とする場合には防災や安全確保などの課題をクリアする必要があるとの見方を提示。今後については「関係省庁と相談して進めたい」とコメントした。そのほか、来春の北海道新幹線の開通に向けた期待や、北陸新幹線の金沢/敦賀間の延伸時期前倒しへの意欲も示した。
石井氏は1958年生まれの57歳。東京都出身で81年に東京大学工学部を卒業後、当時の建設省に入省した。92年の道路局課長補佐在任時に同省を退職し、93年の衆議院議員選挙で初当選。現在が8期目となる。2003年9月からは1年間、財務副大臣を経験している。
なお、同日の昼には太田氏も退任会見を開催。在任中の観光立国推進に向けた取り組みに関しては、就任当時の年間訪日外客800万人と比較して、今年は1000万人近く増加する見込みであることについて述べ、「飛躍的に前進した」と振り返った。