阿蘇山噴火で警戒レベル引き上げ、入山規制に-航空便に影響
熊本県阿蘇山の中岳第一火口で9月14日9時43分に噴火が発生し、福岡管区気象台は火口周辺の噴火警戒レベルをレベル2の「火口周辺規制」からレベル3の「入山規制」に引き上げた。気象庁によれば噴煙は火口から2キロメートルの高さにまで立ち上り、火口からは大きな噴石も飛散したという。
同庁では今後も同程度の噴火が発生し、大きな噴石が火口から1キロメートル以上に飛散する可能性があるとして、火口から約2キロメートル以内の範囲について警戒を呼びかけている。また、風下側では降灰や風の影響を受ける小さな噴石にも注意すべきとしている。入山規制は阿蘇市、高森町、南阿蘇村の3自治体に対して発出した。
なお、熊本空港に発着する航空便については、噴煙の影響などにより日本航空(JL)や全日空(NH)などの多くの便が欠航となった。国内線ではJLが14日の羽田線の2往復4便を欠航。15日以降は、再度の噴火などがなければ、予定通り運航するという。全日空(NH)は羽田、中部、伊丹線で合計14便を欠航。そのほか羽田、伊丹線で各1便の目的地を福岡に変更した。15日は羽田および伊丹行き便の初便を欠航する。国際線ではアシアナ航空(OZ)の熊本/ソウル(仁川)線の1往復2便が欠航となった。
阿蘇市は警戒レベルの引き上げに合わせて、阿蘇吉田線の夜峰山・池の窪牧野入口付近と草千里駐車場付近で道路規制を実施。18時10分の時点で有色噴煙の高さは火口上800メートルと発表している。阿蘇市観光協会によれば、問い合わせは多いものの、入山規制エリア外では観光に大きな影響は出ていないという。
気象庁は昨年8月の噴火以降、警戒レベル2の火口周辺規制を発出。火口から約1キロメートル以内の範囲では大きな噴石に警戒するよう注意を呼びかけていた。