香港とマカオ、復調傾向アピール、中国人減を機に送客増へ
香港政府観光局(HKTB)、マカオ観光局、キャセイパシフィック航空(CX)、ウォルト・ディズニー・ジャパンはこのほど、共同で旅行会社向けの「香港・マカオアップデートセミナー」を開催した。冒頭で主催者を代表して挨拶したマカオ観光局日本代表の榊原史博氏は、尖閣諸島問題などにより2013年度には急激に減少した香港とマカオへの日本人訪問者数が、年月の経過とともに復調の兆しを見せ始めている旨を強調。「すでに底は打った」との見方を示した。
また中国の経済成長の減速や、今夏の人民元の切り下げなどにより、香港とマカオへの中国人訪問者数が減少していることから「客室が空き始め、予約が取りやすくなってきた」と現況を報告。「ただし以前と同じような売り方では市場はついてこない、新たな売り方で新たなターゲットに新たな旅のスタイルを提案しなくては」と危機感を示し、最新情報の提供、販売しやすい環境作り、販売支援の推進により、旅行会社との連携を強化したい考えを強調した。
香港の最新事情についてプレゼンテーションをおこなったHKTBアシスタントマネージャー旅行業界担当の古谷剛氏は、4月から1年間の予定で展開している30代女性などをターゲットとしたキャンペーン「アガる香港」について説明。旅行会社向けには映像や画像などの提供に加えて、小冊子「アガる香港ガイド」などを新たに制作したことを報告した。また、女性誌「FRaU」とのコラボレーションやテレビ番組など、メディアを活用したプロモーションも引き続き精力的に展開していることをアピールした。
マカオ観光局の府川尚弘氏は、14年の日本人訪問者数が前年比3.2%増の29万9849人に回復したことを説明。15年は訪日外国人旅行者の増加などにより、1月から7月までの累計で14.2%減の14万8401人となっているが、7月単月では6%減と減少幅が縮小していることなどを示し、「全国の旅行会社から、マカオの販売は団体を中心に回復の兆しが見えてきたと聞いている」と強調した。15年と16年については女性を中心に全世代に注力する考えを示し、個人旅行、グループ旅行、インセンティブ旅行、修学旅行と幅広いセグメントで、旅行会社、航空会社、HKTBとの連携を進める考え。
そのほかにこの日は、CX東京旅客営業支店営業部係長の比留間絢子氏が、CXと子会社の香港ドラゴン航空(KA)の現在のスケジュールやサービスなどについて紹介した。ウォルトディズニージャパンの本間美奈子氏は香港ディズニーランド・リゾートの概要に加えて、パーク拡張の状況について説明。11年から13年まで3年連続で「トイ・ストーリー・ランド」など新たなエリアを新設していることなどを訴求した。