アブダビ、15年日本人は前年並みに-イスラム過激派の影響軽微
アブダビ観光文化庁はこのほど都内で、商談会「Japan Roadshow 2015」を開催し、年初に中東や欧州でイスラム教過激派組織ISILなどによるテロ事件が相次いだものの、日本人訪問者数などへの影響は軽微であることを示した。同庁によれば、観光と商用を合わせた2014年の日本人訪問者数は前年比4.4%増の1万3013人で、人泊数は3.7%増の5万6328泊、1人あたり平均宿泊数は0.7%減の4.33日。15年1月から5月までの累計は、訪問者数こそ前年比6.5%減の5119人となったが、人泊数は0.3%増の2万1793泊、1人あたり平均宿泊数は7.5%増の4.3日と増加している。
同庁では、アブダビの訪問者数は例年、10月から12月までのイベントが多いシーズンを含む下期が好調に推移する傾向があることから、15年の年間日本人訪問者数は前年並みの1万3000人弱に落ち着くと予想。アブダビが属するアラブ首長国連邦(UAE)も国民の大多数がイスラム教徒だが、ISILなどの脅威については「UAEの治安は非常に良く、まったくの無関係」とアピールしている。
エティハド航空(EY)によれば、アブダビ/成田、中部線の搭乗率は4月から6月までは落ち込んだものの、7月から9月については90%近くにまで回復。特に、アリタリア-イタリア航空(AZ)やエア・ベルリン(AB)とコードシェアをおこなっている、イタリアやドイツ方面が好調だという。EY日本支社長の稲場則夫氏は「OTAをうまく活用しているFITなどに利用者が多い」と説明した。
この日はアブダビ観光文化庁でシニアプロモーションエグゼクティブを務めるノーフ・アル・ハシミ氏が、アブダビ観光の最新事情についてプレゼンテーションを実施。既存の観光資源に加えて、15年中には美術館「ルーブル・アブダビ」が、16年にはザイード国立博物館、17年には美術館「グッゲンハイム・アブダビ」がオープンを予定していることをアピールした。そのほか、映画「スター・ウォーズ」シリーズの最新作のロケ地にアブダビが選ばれたことなども伝え、今後の訪問者数増に意欲を示した。
EYからは、旅客営業部営業課長の野黒泰正氏らが、同社の最新サービスなどについて説明。利用者に無料でアブダビでの宿泊などを提供する「アブダビストップオーバープログラム」を紹介し、積極的な活用を呼びかけた。また、9月14日発券分から日本発の手荷物規定を変更し、重量制から個数制に変更したことなどを報告した。