日本旅行中間決算、企画は海外低迷、国内堅調-団体はともに伸長
日本旅行の2015年12月期中間期(2015年1月1日~6月30日)の連結業績で、営業収益(※純額)は前年比3.4%減の243億5600万円となった。営業損失は前年から2億3500万円拡大し5億3900万円に。前年に7300万円を計上した経常利益は1億700万円の経常損失に転じ、当期純損失も3億6400万拡大し4億8100万円に上った。円安や各地の情勢不安などにより、海外企画商品マッハとベストツアーが約3割減となり、利益面に影響した。
日本旅行単体では、販売高は0.2%増の1933億9300万円。営業収益は3.8%減の206億6900万円、営業損失は前年から1億6500万円拡大し4億2200万円に。前年に2億9800万円を計上していた経常利益は、7900万円の経常損失に転じた。当期純利益も、前年には2億8600万円を計上していたが、4億400万円の損失に転じた。なお、営業費用は中核事業と位置づけるMICEや修学旅行などで人員増をおこなった一方、選択と集中により全体では減少。連結で2.4%減の248億9500万円、日本旅行単体で3.0%減の210億9200万円となった。
日本旅行単体のうち、海外旅行の販売高は12.3%減の597億8500万円、営業収益は25.3%減の51億1200万円で、ともに前年を下回った。販売高では、マッハとベストツアーが28.8%減の187億7400万円と大幅減。最重点方面のヨーロッパが39.8%減となったほか、全方面で昨年を下回った。団体旅行は、企業の報奨旅行や各種学校の語学研修などの受注拡大に注力した結果、4.3%増の108億2500万円。国際航空券などの単品販売は、海外出張需要の停滞などで2.4%減の272億7200万円となった。
国内旅行の販売高は5.1%増の1210億6700万円、営業収益は3.9%増の133億7100万円と堅調に推移。販売高は、赤い風船が9.2%増の420億6700万円。北陸新幹線の開業などによりJRセットプランを拡充したほか、インターネット販売専用商品や創業110周年記念商品の展開などに取り組んだ。団体旅行は9.2%増の323億9500万円。企業の招待旅行や各種会議などMICEの受注強化に加え、教育旅行の取扱拡大に務めた。JR券や国内航空券などの単品販売は0.9%減の424億2700万円。前年に実施された新幹線回数券の一部廃止などの影響を受けた。
国際旅行は販売高が29.4%増の124億2100万円、営業収益が33.7%増の17億4700万円。中国や東南アジア諸国などの訪日需要が拡大するなか、中央省庁や地方自治体などの予算事業や国際会議などへの取り組み、海外の有力エージェントへの営業強化やFITの取扱拡大に向けたOTAとの連携拡大、ホテルなどの仕入れの強化などを進めた。
なお、通期の業績予想は当初予想を据え置いた。同社によると、7月から9月の企画商品の受注状況は、海外については引き続き前年を下回っているが、国内はJR関連商品やネット販売商品など中心に好調に推移。そのほか、中核事業と位置づけるMICEや修学旅行なども成長を見込み、通期での目標達成に取り組むという。