ベルトラ、ルクセンブルクに活動拠点「次世代のIT覇者に」
海外オプショナルツアーの予約ウェブサイト「VELTRA」を運営するベルトラは7月16日、8月中にもルクセンブルクにグローバル事業の活動拠点を設置する予定を明らかにした。あわせて「旅行業の枠を超えた」新たなソーシャルメディアを立ち上げる計画も発表し、ルクセンブルクを拠点に開発を進めて、国内外の利用者を主力のVELTRAに誘導する構想も示した。同社取締役で創設者の荒木篤実氏は、同日にルクセンブルク大使館で開催した記者会見で「次世代のIT覇者になりたい」と決意を語った。
荒木氏はグローバル展開の拠点にルクセンブルクを選んだ理由として、同国政府がベンチャー企業に積極的な支援をおこなっていること、IT事業のためのインフラや知的財産管理のための環境が整っていることを挙げた。 現在、同国にはインターネット電話サービス会社大手のSkypeが本社を置いているほか、楽天や米国のAmazonも拠点を構えている。
そのほかには欧州の中央に位置し、主要国の大都市などへのアクセスに優れていること、ルクセンブルク人が母国語に加えて英語、フランス語、ドイツ語に長けた多言語話者であることなども挙げた。今後はITおよびマーケティング関連の人材を、現地で積極的に採用するという。本社機能のルクセンブルクへの移転に関しても可能性を示唆した。
経営陣からは現在の取締役のうち3名が、立ち上げのメンバーとしてディレクターに就任する予定。荒木氏が戦略策定/新規事業開発担当ディレクターを務めるほか、研究開発/人材マネージメント担当ディレクターに永島徹三氏、財務/経理担当ディレクターに澁谷剛氏が就く。
新たなソーシャルメディアについては「写真と地図を活用して、特定の人に最適な情報を提供するプライベートなフォトマップ」「競合相手はFacebookやPinterest」などとコンセプトを示し、8月を目途に詳細を発表すると説明した。最終的にはソーシャルメディアで獲得した国内外の利用者を、VELTRAに誘導するマーケティングツールにしたいという。新たなソーシャルメディアは無料で提供を開始し、3年から5年後を目途に有料サービスの提供を検討する。
そのほか、この日の会見には日本を公式訪問中の同国首相のグザヴィエ・ベッテル氏も出席。「ルクセンブルクは小国だが、欧州市場への大きな入口でもある。拠点の開設は素晴らしい決断」と述べ、ベルトラの進出を歓迎した。