Airbnb、日本での活動強化-日本での規制緩和に向けた取り組みも
Airbnbは、日本での展開を強化していく考えだ。先ごろ開催されたオンライン旅行業界の国際会議「Web in Travel(WIT)JAPAN & NORTH ASIA 2015」に合わせて来日した、同社ノースイーストアジア・リージョナル・マネージャーのアラン・チャン氏は本誌のインタビューに応じ、3年前からアジアでの展開を開始している旨を説明。日本、中国、韓国、東南アジアを「キーマーケット」として捉え、今後は積極的に投資をおこなっていく考えを語った。
Airbnbは、旅行者と空き部屋などの所有者とのマッチングサイトを運営。チャン氏によると、日本市場は顕著な成長を遂げており、「日本発のアウトバウンドで3倍、インバウンドで5倍に成長しており、今年は(成長率は)7倍になる見込み」だという。今後は、日本人の国内旅行での利用に注力したい考えで「日本人が国内旅行をして、日本を再発見するきっかけになれば」と語った。
このほど本誌のインタビューに応じたAirbnb Japan代表取締役の田邉泰之氏によると、Airbnbでは6月現在、191ヶ国にある150万件以上の登録物件を4000万人以上が利用。一晩で40万人以上が同社のサービスで宿泊しているという。日本の登録物件数は約1万件で、日々増加傾向にあるとした。
今後は日本人に対し、Airbnbのサービス内容について周知をはかるとともに、各地でAirbnbに物件を提供したいホストとゲストのコミュニティの醸成をはかっていく。ウェブサイトでの情報提供やQ&Aの充実に加え、各地で説明会を開催し、理解促進に向けた取り組みを進めており、今後も継続していく考えだ。また、チャン氏は具体的には札幌、東京、京都、大阪、福岡、沖縄の6都市において、コミュニティの造成をはかっていきたいと話した。
Airbnbについては、旅館業法の許認可または規制の対象になるとの指摘が業界内外から挙がっているところ。チャン氏は「専門チームが行政側とディスカッションをしているところ」と説明。田邉氏も「アンクリアな部分を早くクリアにしたい」と語った。
このほか、チャン氏は2020年の東京オリンピック・パラリンピックについて言及。Airbnbのサービスが宿泊施設不足の解消につながるとの考えを示した。同社では16年のリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックでは公式サプライヤーとして、宿泊施設不足に対応するために2万件の宿泊物件を準備する予定だ。