トップインタビュー:ジャルパック代表取締役社長の藤田克己氏

ジャルパックならではの高品質な旅を訴求
女性、1人旅、ウェブ販売強化も

-ブランド誕生51年目となる今年の方針を教えて下さい

藤田 昨年はブランド誕生50周年で、ジャルパックとして1つのピークを迎えた。上期の商品では昨年を踏まえ、50周年企画で成功した商品をヒントに、独立したパンフレットとして「ジャルパックが厳選して贈る いい旅、あたらしい旅」を創った。国内、海外の合冊パンフレットとして、四半期ごとに作成する予定。JLを高頻度で利用するJALマイレージバンク(JMB)会員の上級クラスに対し、アプローチしていく。

 JMB会員はよくJLに乗っていただいているし、ファンの方も多くいらっしゃると思う。そういう方々には、JMB専用ツアーとして、決して値段は安くないが、ちょっとしたこだわりのある良い商品をお届けしていきたい。

 また、今年は女性の1人旅商品も今まで以上に拡充した。昨年はヨーロッパで1人参加限定の添乗員付き周遊ツアー「ヨーロッパ ひとり参加で楽しむ旅」を造成し、ある程度ヒットした。今年は商品数と方面を拡大。スペインと英国のコースを新設し、イタリアコースのラインナップを増やした。

 さらに、台湾、アジア、中国でも新たに添乗員付きコースを設定し、コース内で1人参加日を増やし、女性限定の設定日も用意した。添乗員付きのツアーは安心感がある。最近のトレンドとして女性の1人旅は割と多く、隠れたニーズがある。当初のターゲットは年齢層が高めの女性だったが、実際はさまざまな年齢の人が参加する。普通のツアーでも1人参加はできるが、周囲が友人や家族などのグループだと寂しい、全員が1人参加では仲良くなれるので楽しい、との声もあがっている。

 ヨーロッパへのツアーは円安やイスラム過激派組織ISILによるテロなどの影響で全体的に不調だが、添乗員付きの1人参加ツアーや「いい旅、あたらしい旅」などは、適度に集まっているツアーもある。こうした商品もジャルパックとして1つの売りにしていきたい。

 また、「ジャルパックならでは」の要素をさまざまなツアーで提供し、付加価値を高めることにも注力している。例えはハワイのツアーでは、「モアナ サーフライダー ウェスティン リゾート&スパ」で階層や部屋番号を指定できる。国内では沖縄のツアーで、バスガイドが三線で演奏をおこなうオリジナルバス「JALうたばす」の路線を拡充し、3ルートを用意。下期商品ではリニューアルしたバスで催行する予定だ。