ジャルパック、ウェブ販売への取組強化-女性1人旅も

  • 2015年7月8日

ジャルパック代表取締役社長の藤田克己氏 ジャルパック代表取締役社長の藤田克己氏はこのほど本誌のインタビューに応え、国内旅行を中心に、インターネット経由の販売への取り組みを強化する方針を示した。4月1日に組織改正をおこない、国内ダイナミックパッケージを扱う専門部署として「国内企画商品第3事業部」を設置。本格的に取り組んでいく。

 同氏によると、ツアーのホールセールによる旅行会社経由の取り扱いと、ウェブサイト、コールセンター、じゃらんや楽天と共同で展開しているダイナミックパッケージの取り扱いの比率は5対5。特にウェブサイトでの取り扱いは前年比20%以上の伸びを示しているという。藤田氏は国内で航空券とホテルを組み合わせた「単純な商品はウェブでできるため、国内商品でウェブ化が進んでいる」と語り、「時代の流れに応じて強化していく」方針を示した。

 その一方で、ホールセラーとして「旅行会社との関係性を重要だと考えている」点を強調。「顧客の声を知ることができるチャネル」である旅行会社経由の販売の重要性を説いた。特に1人旅や、同社が「ジャルパックならでは」としているホテルの部屋を指定して宿泊できるツアー商品や、沖縄で展開中のバスガイドが三線演奏をおこなう「JALうたばす」などの「付加価値が高い商品はパンフレットがあったほうが良い」との考え。ウェブ販売と旅行会社経由の販売は「今後二極分化していくので、ジャルパックとしても(引き続き)取り組んでいきたい」とした。

 また、同氏は1人旅、なかでも女性の1人旅に対する取り組みをさらに深めていく考えを示した。同社では2014年下期から「ヨーロッパひとり参加で楽しむ旅」として1人参加商品を設定。15年上期も継続して発売しており、スペイン、英国のコースを増やしたほか、イタリアのコースでラインナップを拡充。女性限定出発日も用意した。また、台湾やアジア、中国などのヨーロッパ以外の方面でも、新たに添乗員付きコースを設定。同コース内で「ひとり参加日」や女性限定の参加日を用意した。

 藤田氏は「ツアーコンダクター付きで安心感もある」とアピールするとともに「最近のトレンドとして女性の1人旅は意外と多く、隠れたニーズがある。ジャルパックとして1つの売りにしていくところでは」との考えを述べた。同氏によると、円安の影響でヨーロッパは全体的に苦戦しているが「普通のツアーとは違う色が出ている」同商品へは「そこそこ人が集まっている」とし、引き続きターゲットとして取り組んでいくとした。