UNESCO、新たに24件の世界遺産登録-日中韓も追加
国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の世界遺産委員会は、ドイツのボンで開催中の第39回会合において、新たに24件を世界遺産として登録することを決定した。内訳は文化遺産23件と複合遺産1件。そのほか、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路など、3件について拡大登録を認めた。今回の登録により世界遺産は、文化遺産802件、自然遺産197件、複合遺産32件の計1031件となる。
フランス、デンマーク、トルコ、イランはいずれも各2件が登録決定。フランスはシャンパーニュ地方の丘陵群、ブルゴーニュの風土といずれもワインに関する案件が登録された。植物園が文化遺産に登録されたシンガポールと、ブルーマウンテンなどが複合遺産に登録されたジャマイカは、ともに初めての世界遺産登録となった。
日本政府が文化遺産として推薦していた「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」は5日の審議で登録が決定。日本の世界遺産登録は今回で19件目となる。同件は1850年代から1910年にかけて日本の重工業化に貢献した遺産群で、「軍艦島」として知られる長崎市の端島炭鉱など23施設で構成される。そのほか今回の会合では、韓国から百済歴史地区群、中国から土司の遺跡群の登録が決定した。
正式な登録日は会合最終日の8日となる予定。詳細は以下の通り。
▽世界遺産委員会、第39回会合における登録決定案件(英語タイトルのアルファベット順)
【新規登録】
・文化遺産
Aqueduct of Padre Tembleque Hydraulic System(メキシコ)
Arab-Norman Palermo and the Cathedral Churches of Cefalú and Monreale(イタリア)
Baekje Historic Areas(韓国)
Baptism Site “Bethany Beyond the Jordan”(Al-Maghtas)(ヨルダン)
Champagne Hillsides, Houses and Cellars(フランス)
Christiansfeld, a Moravian Church Settlement(デンマーク)
Climats, terroirs of Burgundy(フランス)
Cultural Landscape of Maymand(イラン)
Diyarbakır Fortress and Hevsel Gardens Cultural Landscape(トルコ)
Ephesus(トルコ)
Fray Bentos Cultural-Industrial Landscape(ウルグアイ)
Great Burkhan Khaldun Mountain and its surrounding sacred landscape(モンゴル)
Necropolis of Bet She’arim: A Landmark of Jewish Renewal(イスラエル)
Rjukan–Notodden Industrial Heritage Site(ノルウェー)
Rock Art in the Hail Region of Saudi Arabia(サウジアラビア)
San Antonio Missions(米国)
Singapore Botanical Gardens(シンガポール)
明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(日本)
Speicherstadt and Kontorhaus District with Chilehaus(ドイツ)
Susa(イラン)
The Forth Bridge(英国)
The par force hunting landscape in North Zealand(デンマーク)
Tusi Sites(中国)
・複合遺産
Blue and John Crow Mountains (ジャマイカ)
【拡大登録】
・文化遺産
Routes of Santiago de Compostela: Camino Francés and Routes of Northern Spain(スペイン)
・自然遺産
Cape Floral Region Protected Areas(南アフリカ共和国)
Phong Nha – Ke Bang National Park(ベトナム)