ターキッシュエアが強調「我々は欧州系」-スカイトラックス受賞で
ターキッシュエアラインズ(TK)はこのほど日本市場向けに、改めて同社が「ヨーロッパの航空会社」であることをアピールした。6月24日には報道関係者向けに「ターキッシュエアラインズからのお知らせ」と題したプレスリリースを発表。TKは自らをヨーロッパの航空会社と認識しているものの「日本では中東系やそのほかのカテゴリーに区別されることがある」ことから、日本限定でこのようなプレスリリースを発表するに至ったという。
プレスリリースではTKがこのほど、スカイトラックス社の「2015ワールド・エアライン・アワード」のヨーロッパ部門を5年連続で受賞したことを強調。このことを1つの契機として「今後、旅行業界関係者の皆様へは、ヨーロッパ系キャリアとして位置付けていただききたく存じます」と要望している。あわせて「トルコ共和国に関しましても、地理的、歴史的および文化的観点からヨーロッパとして分類していただくことをお願い申し上げます」と述べ、同国そのもののイメージについても言及している。
トルコは、地理的にはヨーロッパとアジアにの間に位置しており、「ヨーロッパ側」の領土としてバルカン半島の一部を所有するものの、領土や人口の大半は、一般的に「アジア側」とされるアナトリア半島に存在している。また、世俗主義を標榜してはいるものの、「ヨーロッパの国」としては例外的に、イスラム教徒が国民の大多数を占めることで知られる。同国の観光プロモーションを担うトルコ共和国大使館・文化広報参事官室のウェブサイトでも「東洋がある。西洋がある。いくつもの物語がある。」とのキャッチフレーズを掲げ、同国がヨーロッパとアジアの両方の魅力をあわせ持つことを強調している。
一方で、現在の同国は欧米との協調を基本姿勢としており、05年10月からは欧州連合(EU)との加盟交渉を開始。そのほか、欧米諸国からなる北大西洋条約機構(NATO)に加盟していることや、FIFAワールドカップのような国際的なスポーツ大会などにヨーロッパの国として参加していることなどからも、政治経済的にはヨーロッパの一員と見なされることが多い。ただし「アジア相互協力信頼醸成措置会議」などで「アジアの国」として活動するケースも見られ、立ち位置は完全に一定しているとはいえない。
本誌の取材に応えた、同国大使館文化広報参事官室日本・韓国・台湾担当ディレクターのアリ・カラクシュ氏は、トルコとヨーロッパの古代からの交流の歴史について説明した上で「トルコは言うまでもなくヨーロッパの一部だが、それ以上に現在のヨーロッパも、トルコを起源とする多くのものから成り立っている」とコメントしている。