仏アキテーヌ地方がセミナー開催、ボルドーやラスコーに新施設
フランス観光開発機構はこのほど、上野の国立西洋美術館で開催中の「ボルドー展-美と陶酔の都へ-」の開幕を機に、アキテーヌ地方をテーマにしたイベントを開催した。来日したアキテーヌ地方観光局総裁のレジーヌ・マルション氏は、キーワードとして文化施設、世界遺産、遺跡観光、スポーツ、美食などを挙げ「日本人にとっても大きな魅力になる」とアピールした。
また、同開発機構在日代表アジア・太平洋地区統括責任者のフレデリック・メイエール氏も、ボルドーが欧州地域の文化、観光プロモーション機関の「ヨーロピアン・ベスト・デスティネーション」による「欧州ベストデスティネーション2015」で1位に選ばれたことを紹介。アキテーヌ地方には「フランスの最も美しい村」に選ばれた村々があり、「ラスコーのように比類の無い観光スポットや、伝統とモダンが混在するバスク地方がある。ハイレベルな食文化も根付いている」と多様な魅力を紹介した。
アキテーヌ地方観光局局長のブリジット・ブロック氏によると、同地方への観光客数は年間1400万人で、外国人は20%。このうち80%が欧州からの観光客だ。日本人は他国に比べ少ないが、文化について深い興味を抱いており、「より深堀りしたパッケージツアーが求められている」という。
日本市場ではシニアや、FITをねらう方針。ブロック氏は「日本人は他国の人と比べると体験を重要視している」といい、ボルドーのワイナリーでのぶどう収穫体験や、ぶどう数種類をブレンドするオリジナルワイン造り、クッキングスクールといった体験をアピールしていく考えを示した。
また、セミナーでは各地方の担当者が新素材を紹介。ボルドー観光局局長のニコラ・マルタン氏は、2016年夏にボルドーのガロンヌ河岸に開業予定のワイン文明博物館をアピールした。ワインと人類の歴史を紹介したもので、ガラス製の建物の高さは50メートル。上部に展望台を備えたレストランも開業するという。FITの予約は夏から、団体の予約は秋から受付を開始する予定だ。
ラスコー壁画洞窟局長のギヨーム・コロンボ氏は、来年オープンする国際洞窟壁画芸術センターを紹介した。ラスコーの壁画は1979年に世界遺産に登録されており、オリジナルの洞窟「ラスコー1」は、壁画保護のため1963年に閉鎖され一般公開はされていない。現在はオリジナルの一部を再現した「ラスコー2」が見学可能だが、今回芸術センターでは洞窟の全てを再現。映像での壁画紹介や、3Dシアターも設ける予定だ。