旅行業・観光業DX・IT化支援サービス

LOTポーランド航空、成田/ワルシャワ線開設へ、16年1月から

  • 2015年6月21日

(中央)LO最高経営責任者のセバスチャン・ミコシュ氏  LOTポーランド航空(LO)は2016年1月14日、成田/ワルシャワ線を開設する計画だ。東欧への初の定期直行便として、週3便で運航する。6月19日の記者会見で、同社最高経営責任者のセバスチャン・ミコシュ氏は「(同路線は)将来の成長のために大変重要なネットワークとなる」と強調。「日本はLOにとって長年就航候補地の1つとしてきた」と日本市場の重要性を語った。当初は週3便だが、将来的にはデイリー運航をめざしたい考え。

LO最高経営責任者のセバスチャン・ミコシュ氏  LOでは2012年から15年末まで、ポーランド政府の公的支援を受けた事業再構築プランを実施中。プラン終了までは新規路線の開設はできないため、就航は16年以降とした。ミコシュ氏によると、16年以降にさらにアジアの3ヶ国で新規路線を開設する予定。「16年は座席供給量(ASK)を増やしていく時代。15年比で30%増をめざす」とした。

LO事務局長、販売部門のマレック・イジー氏  LOによると、ポーランドへの日本人訪問者数は年間4万1000人、中欧、東欧を訪問する日本人は年間24万5000人で、ポーランドからの訪日外客数は年間1万5000人、中欧、東欧からの訪日外客数は13万6000人。LO事務局長、販売部門のマレック・イジー氏は弊誌の取材に応え、日本/ポーランド間の渡航者数は毎年2%以上増加しているが、直行便就航により20%から30%の伸び率を示すとの見込みを語った。

 日本発とポーランド発との比率は、日本発が6割から7割、ポーランド発が3割から4割となる予想。今後は同じスターアライアンスの全日空(NH)と各国内線も含めコードシェアを実施し、乗客のさらなる利便性向上をめざす計画だ。また、同路線のターゲットはビジネス、レジャー双方で、ビジネス3割、レジャーが7割となる見込み。ビジネス需要についてはポーランドには約300の日系企業が進出しているといい、業務渡航需要に期待を見せた。

 さらに、直行便に加えワルシャワ経由の乗継需要の取り込みもはかる。ミコシュ氏はポーランド7都市・地域への国内線に加え、プラハやブダペストまではワルシャワから空路で40分であることをあげ、乗継利便性を強調。さらに、ワルシャワ・フレデリック・ショパン空港ではこのほど改装を終了した新ターミナルを利用しており、MCTは30分だという。

LOT Japan日本地区支配人の設楽淳氏  また、イジー氏は成田就航後の計画について「日本側との交渉を進めてデイリー化をめざしたい」と語った。現在日本とポーランド間の航空交渉では週10便の運航が可能だが、このうち成田空港については、ポーランド側の乗り入れは週3便に限定されている。LOでは今後、増便が可能になるよう、関係各局に働きかけをおこなっていく考え。2016年5月または6月には週5便に増便し、17年の夏ダイヤではデイリー化をめざす。その後、関空や中部などの他都市からの就航も視野に入れたいとした。

 航空券の販売は日本の旅行会社に協力を求めていく。ミコシュ氏は「(ポーランドは)開拓されていないポテンシャルを持っており、ぜひ我々を活用して欲しい」と旅行会社に対し呼びかけた。また、LOT Japan日本地区支配人の設楽淳氏は、大手旅行会社や中東欧に強い旅行会社に対して働きかけをおこなっていく方針を述べた。さらにLOの公式サイトを今月中を目標に日本語化し、直販も展開していく。また、ポーランドではグループ会社のLOTトラベルが日本への商品造成や販売サポートを実施する。

 運航機材はボーイングB787-8型機で、ビジネスクラス18席、プレミアムエコノミークラス21席、エコノミークラス213席の計252席。ビジネスクラスは180度のフルフラットシートで長さ190センチメートル、幅は54センチメートル。成田線では日本食を用意するほか、機内エンターテイメントの日本語対応もおこなう予定で、現在準備を進めているという。運航スケジュールは以下の通り。

▽LO 成田/ワルシャワ便 運航スケジュール(2016年1月14日~)

LO080便 NRT 11時05分発/WAW 14時40分着(月、木、土)
LO079便 WAW 15時00分発/NRT 09時20分着※翌日(日、水、金)
※関係当局の認可が前提