ベトナム、リゾート地としての中部訴求、成田/ダナン線好調で
ベトナム文化スポーツ観光省と駐日ベトナム大使館は6月15日、都内で「ベトナム観光セミナー」を開催し、中部のリゾート地を訴求した。日本からベトナム中部へは、2014年7月にベトナム航空(VN)の成田/ダナン線が週4便で就航。今年3月からは好調を受けて週5便に増便しており、さらに7月から9月にかけてはデイリー運航を実施する。
VN東日本地区旅客営業部次長の森田順悟氏は、就航後の成田/ダナン線の搭乗率が80%超であることを説明するとともに、今年の7月と8月の予約率についても「8割に届く勢いで、まだまだ積み上がる」と報告。F1、F2層などにもリゾート地としてのベトナムをアピールし、リピーター化をはかることで、通年でのデイリー運航に意欲を示した。ただし「10月から12月までの雨季をどう売り抜くかがカギ」とも語り、旅行会社に支援を求めた。
森田氏によれば、VN日本支社では3年程前から、リゾート地としてのベトナム中部をアピール。当時はハノイやホーチミンから乗り継ぐしかなかったが、成田/ダナン線の就航を機にプロモーションに本腰を入れはじめたという。雨季の販売策の詳細についてはこれから検討するが、森田氏は同地域に4つある世界遺産への訪問や、ダナン/シェムリアップ線を利用しての周遊などを例示。成田線についてはハノイやホーチミンとのオープンジョーなども訴求できるとした。プレゼンテーションではそのほか、来年1月には成田/ハノイ線、2月には成田/ホーチミン線にそれぞれボーイングB787-9型機を導入し、現在のエアバスA330型機に比べて供給座席数を約12%増やす計画も公表した。
そのほか、セミナーではベトナム文化スポーツ観光省副大臣のブン・デュイ・ビエン氏が、2014年の訪越日本人旅行者数が前年比7.3%増の約64万7000人に上ったことを報告。好調の維持に意欲を示すとともに「高品質の商品を開発し、日本人のニーズを満足させる必要がある」と強調した。
駐日大使のドアン・スアン・フン氏は、日本が当面の目標として年間訪日外国人旅行者数2000万人を掲げているのと同様に、ベトナムも年間訪越外国人旅行者数1000万人を掲げていることを説明。「協力して目標を達成するために、日本の経験を共有させていただきたい」と要望し、日本人旅行者については「政府と航空会社で、全力で日本人を誘致したい」と意気込みを示した。
ベトナム観光総局観光プロモーション部副部長のブー・ナム氏は、18年から20年までの間を目途に、年間訪越日本人旅行者数を100万人にまで引き上げる考えを表明。新たなデスティネーションとして中部エリアを訴求する方針について述べた。
ベトナム中部の海岸部の観光プロモーションを担う「セントラル・コースト・ベトナム」事務長のチ・グエン氏は、ダナンから近いフエの建造物群、古都ホイアン、ミーソン聖域の3つの世界遺産に加え、ウォータースポーツが楽しめるランコーベイや、国際的にも評価の高いゴルフコース、昨年にホテル屋上にオープンしたダナンの夜景を楽しめるバー「SKY36」などを紹介。ベトナム中部には旅行者のさまざまなニーズに答えられる観光資源があると強調し、外国人旅行者の増加で活気づくダナンの観光をアピールした。
エイチ・アイ・エス(HIS)ベトナム社長の簾藤眞太郎氏は、Googleによるベトナムの都市別検索数調査をもとに「ダナン線就航によって、日本のお客様の興味が集まってきたことが最大のトピック」と述べ、注目度の高さをアピール。ダナンについては「東南アジアで一番近いビーチリゾート」とアピールし、「7月から9月までデイリー運航になることで、より一層ダナンの人気は上がっていくだろう」と期待した。また、近年は宿泊施設が充実していることを説明し、14年末にはベトナム初の6ツ星ホテルとなる「ザ・レベリー・サイゴン」がオープンしたことなどを紹介した。