ホテル蔵王運営会社が破産開始、負債総額1.2億円-火山も影響

  • 2015年6月7日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、山形県でホテル蔵王を運営するセントラルプロパティマネジメント(旧紀州鉄道ホテル蔵王ホテル)は5月28日、山形地方裁判所に破産を申請し、同日破産開始決定を受けた。申請代理人は清水直法律事務所の木村晃一弁護士で、負債総額は約1億2000万円。

 ホテル蔵王は会員制リゾートクラブを運営する紀州鉄道が所有しており、セントラルプロパティマネジメントは会員制ホテルとして運営を担当。TSRによると、スキー客や避暑で訪れる観光客を中心に展開していたが、景気の低迷や消費停滞の影響などにより、徐々に業績は低下。東日本大震災以降は風評被害から観光客数が減少した。宿泊料金の低廉化や会員以外の宿泊客の取り込みなどで業績回復をめざしたが、売上の減少が続いた。さらに、蔵王の火山活動による風評被害も追い打ちをかけ、2014年3月期の売上高は約2億3000万円に低下したという。

 今年3月には紀州鉄道がホテル蔵王を他社に売却。セントラルプロパティマネジメントは5月13日に紀州鉄道ホテル蔵王からホテル蔵王に商号を変更し、本社を東京都中央区に移転していた。なお、ホテル運営は別会社にて継続する予定だ。