新千歳空港、夏の発着枠を限定拡大、臨時・チャーター便対象に
国土交通省東京航空局新千歳空港事務所によると、新千歳空港の発着枠をお盆、年末年始などの多客期の一定期間拡大する。臨時便、チャーター便が対象で、1時間あたりの上限を32回から5回増の37回に増やす。北海道の観光需要の高まりに伴い、新千歳空港への乗り入れ要望が増えてきたためで、今回試行運用として限定的に発着枠拡大を決定した。
まずは7月25日と、8月8日から16日までの期間を対象とし、年末年始についても今回の結果を踏まえて試行運用を実施する計画。遅延の発生状況などを含む航空機の運営状況について試行評価をおこない、今後の発着枠拡大を検討していくという。
今回の措置に対し、北海道知事の高橋はるみ氏は「大いに歓迎をしているところだが、これをさらに定常的にそういう形に持っていっていただきたい」とコメント。「外国人観光客あるいは国内の観光客の方々も含めて、道内の観光関係の受入体制の整備充実ということをしっかりやっていきたい」と意欲を示した。
また、北海道総合政策部航空局国際航空グループによると、お盆の時期は国内需要が高まる時期であることから国内路線にとってメリットになるとの考え。一方、年末年始については、昨年に東南アジアからの臨時便やチャーター便が相次いだといい、訪日客の取り込みに期待がかかるとした。
新千歳空港は航空自衛隊千歳基地と隣接・接続している空港で、管制業務を航空自衛隊が担う。このため東京航空局新千歳空港事務所は発着枠拡大に関し、航空自衛隊第2航空団と2014年10月からワーキング・グループを立ち上げ検討を続けてきた。同事務所によると、全時間帯での抜本的な解決のためには新たな管制方式などの導入も含めた技術的な検討、検証が必要なため、今後も継続して検討していくが、それまでの短期的な対策として今回の措置を実施。実施時間帯については臨時便、チャーター便の希望の調整において決定していく。