JTB、14年度は営利減も経利・純利伸長-団体など寄与

  • 2015年5月31日

▽国内・訪日・国際は好調維持、今期は各利益2桁増見込む

 各セグメントの概況は、海外旅行についてはワイキキに「トラベルプラザ」、国内にはクルーズ専門店「JTBクルーズ銀座本店」を開設するなど新たな展開をはかったものの、ルックJTBの売上高は3.0%減と低迷。一方で団体は、企業のインセンティブ旅行や各種イベントの取り扱いなどにより、6.1%増と好調に推移した。メディアは9.5%減。インターネット販売は専用商品の強化や、モバイル機器向けに予約機能を改善して販売を拡大した。国内および訪日旅行を合わせたインターネット販売取扱額は、10.7%増の1974億円だった。

 国内旅行は、エースJTBが製販一体による販売強化などにより1.8%増と堅調に推移。提携を結んでいるユニバーサル・スタジオ・ジャパンのある近畿や、北陸、沖縄方面が好調だった。団体は、海外と同様に企業のインセンティブ旅行などが好調で0.2%増と微増。メディアは15.5%減だった。

 国際旅行のうち訪日旅行は、東アジアや東南アジアからの観光客の増加が牽引したほか、クルーズ船の到着地におけるオプショナルツアー、個人旅行者向けの着地型商品の造成などに積極的に取り組んだ結果、訪日外国人旅行者数全体の伸びを上回る36.4%増となった。そのほか、42.5%増となった海外発海外などのグローバル旅行は、アジア・パシフィック地域を中心に営業展開するTour Eastグループ企業などを買収したことにより、今後も拡大する見込み。

 2016年3月期の見通しについては、売上高は0.1%増の1兆3250億円、営業利益は79.7%増の200億円、経常利益は17.7%増の220億円、当期純利益は16.2%減の123億5000万円とした。海外旅行需要の低迷など懸念材料はあるものの、国内旅行や訪日旅行、国際旅行の拡大などに期待できるとした。細野氏は特に法人のMICEなどで一定の伸びが見込めるとし、訪日旅行の展望について語った金子氏は、投資を進めつつ年間の営業利益を40億円規模にまで高めたい考えを示した。