4月の旅行業倒産は2件増の4件、負債総額4.2億円

  • 2015年5月13日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、2015年4月の旅行業の倒産件数は前年比2件増の4件となり、前月の3件から1件増加した。負債総額は4億1600万円で、前年の1億4000万円から2億7600万円増加。東日本大震災関連の倒産件数は1件だった。

 4件はいずれも破産で、原因は過小資本や業績不振など。負債総額が最も大きかったのは宮崎市の第3種旅行業のエーエスシーで、負債総額は1億5000万円。同社は旅行業のほかにスポーツ用品卸やイベント企画、ネットショッピング事業など多角化を進めたものの、従業員数の拡大に伴い固定費の増加を招いたという。

 このため、売上高は2014年6月期で4億2000万円を計上し増収基調にあったものの、採算面では5000万円を超える赤字を計上。大幅な債務超過に陥る結果となり、中小企業再生支援協議会に支援を要請して再生計画を策定したが、計画通りの業績が上がらなかった。最終的には旅行業務以外の業務を断念し、事業の縮小を進めたが、最終的には倒産となった。

 そのほか、2月17日付けで事業を停止した愛知県の第2種旅行業者のユニオン航空サービスの負債は、総額1億3000万円となった。なお、同月の宿泊業の倒産は前年同月比1件減の9件。負債総額は51.2%増の49億5600万円だった。