秋田の「ぶなの森玉川温泉」が民事再生法申請、負債22億円
東京商工リサーチ(TSR)によると、秋田県仙北市田沢湖の「ぶなの森玉川温泉」は4月20日、秋田地裁に民事再生法の適用申請をおこない、同日に監督命令を受けた。監督委員には加藤法律事務所の加藤謙弁護士が選任された。負債総額は2013年12月期決算時点で約22億円。
同社は温泉旅館「湯治館そよ風」の経営を目的に設立。総工費約24億5000万円を投じて旅館を建設し、2004年5月に開業した。客室数は143室で、収容人員数は242名。館内に看護師を常駐させたほか、ヘルパーも配置するなど、介護者向けのサービスも提供していた。
同旅館は06年12月期には約7億3000万円の売上高を計上していたが、当初から計画通りの顧客を確保できずに、多額の赤字を計上。08年12月期には累積赤字が10億円に達していた。09年6月には10億9864万円の資本金を6898万円に減資し、債務超過から脱却した。
近年では、11年12月期には東日本大震災の影響などから売上高が約3億2000万円に低迷。12年12月期には多額の特損計上などから10億円以上の赤字を計上するなど、業績は不安定だった。その後も玉川温泉内での雪崩や土砂災害などの事故が重なり、13年12月期の売上高は約2億3200万円まで減少。創業以来1度も黒字化できず、資金繰りが限界に達したという。