南アで見本市「INDABA」開催、アフリカ全体で観光強化を
(ダーバン発 特派:平山喜代江) 南アフリカ共和国のダーバンで、5月9日から11日まで、トラベルトレードショーINDABA(インダバ)2015が開催された。南アフリカを含むアフリカ20ヶ国・地域の旅行業関連業者約1000社が出展するアフリカ最大の観光見本市で、世界各国からバイヤー2000社以上、750人のメディアが参加。日本からはメディアを含む13社が参加した。
2014年5月の大臣就任後、今回初参加となるINDABAで開会式に登壇した観光大臣のデレク・ハネコム氏は、「旅行業は国内で150万人、アフリカ全体では2050万人の雇用を生み、アフリカのGDPの8.1%を占める」とその経済効果を強調。さらに景色や自然、人間と文化といった南アフリカが有する観光素材だけでなく、「人類が誕生した地で、人間性を追求してきたストーリーはアフリカ大陸にしかないユニークなもの。列強支配の歴史から自由への道のりを示す足跡があちこちにある」とアフリカ全体に共通する魅力に言及。さらに、「観光客を増やすには自然や文化遺産だけに頼らず、サービスの質の向上が必要」と故ネルソン・マンデラ氏が20年前にINDABAで残した言葉を引用し、「南アフリカとアフリカの国々が一体となって取り組んで行こう」と結んだ。
南アフリカ観光局(SAT)CEOのチュラニ・ンジマ氏も「今年で35周年目を迎えたインダバは、アフリカ南部の観光業者が集まるプラットフォームで、アフリカ旅行に関する最も重要な見本市となっている」と話し、マンデラ氏ゆかりの地を案内するアプリケーションやナショナル ジオグラフィックと共同製作したマンデラ氏の足跡の映像などを紹介した。
観光副大臣のトコジレ・カーサ氏は2014年を振り返り、外国人観光客数が3%増加したと成果を語った。ただし「南アには感染例がなかったにもかかわらず、アフリカ全体へのエボラ出血熱の風評被害が避けられなかった」という。
また、南アフリカ観光局(SAT)アジア太平洋地区プレジデントのブラッドリー・ブラウワー氏は、2017年の日本からの直行便運航に期待を示した。同氏によると、日系航空会社の路線計画に南アフリカ便があるといい「スターアライアンスが持つ国内線コネクション、マイレージの獲得など日本人にとって利便性が高い。MICEなどのビジネス客にとっても朗報となるはず」と力を込めた。