東京第3種の渋谷トラベルプラザが事業廃止、大型連休控え相談殺到
東京都は5月1日付で、「渋谷トラベルプラザ」の名称で事業をおこなっていたジャーニーの旅行業登録を抹消した。同社はインターネットなどを通じて、国内航空券などを取り扱っていた第3種旅行業者。都では、3月下旬から「購入した航空券が届かない」「会社と連絡が取れない」などの相談が旅行業係や消費者センターに殺到したことから、4回にわたり同社から事情を聴取。口頭や文書による指導も実施し、同社は4月9日から新規の受付を停止していたが、5月1日に事業の廃止を届け出た。
東京都産業労働局観光部振興課旅行業係によれば、3月27日から4月30日までの間に寄せられた相談件数は約460件。ゴールデンウィークを目前に控えた時期であったことから、「判る限りで、旅行会社としては最も多い」結果となった。相談は3月30日以降、都の消費生活総合センターにも多く寄せられ、5月2日までに183件を記録。同センターによれば「月間の平均相談件数が約3000件であることを考えると、1社に対する件数としては非常に多い」という。
都では同社の事業廃止により、旅行代金を支払った利用者で航空券などを受け取ってない利用者には、営業保証金制度で代金の一部が還付されることを案内。旅行業係まで問い合わせるよう促している。配分される同社の弁済業務保証金は300万円。また、既に航空券を受け取った消費者にも、航空会社に予約の確認をおこなうことなどを呼びかけている。
同社は既に、ウェブサイトや利用者へのメールなどで、廃業により申込済みの航空券などの手配が不可能になったことを謝罪。支払済みの旅行代金を弁済業務保証金によって還付する旨などを告知している。なお、東京商工リサーチ(TSR)によれば、5月7日の時点で渋谷区の同社オフィスは営業しておらず、店頭に貼り紙などもないという。
なお、同社は日本旅行業協会(JATA)と全国旅行業協会(ANTA)には非加盟。しかしJATAには3月上旬から数百件、ANTAには4月1日から約60件の問い合わせがあった。両協会はともに、都の旅行業係の問い合わせを案内したという。