石川の旅館ワイエム企画が特別清算開始、負債16億円
石川県・山代温泉のワイエム企画は4月16日、東京地方裁判所から特別清算開始決定を受けた。負債総額は約16億円。同社は1965年7月の設立で、資本金は3000万円。2014年2月に会社分割する前は、「よろづや観光」の商号で57年5月に創業した「温泉旅館よろづや」などを運営していた。
同社は本館および別館の新築や増改築など、積極的な設備投資をおこなうとともに、関西や中京方面にも積極的に営業。ピーク時の1996年4月期には47億500万円の売上高を計上した。
しかしその後は、景気低迷や旅行スタイルの変化などで売上高が低迷したため、金融機関などの支援のもと、保有不動産の評価見直しによる損失計上などの財務リストラに着手。2014年には会社分割により、新会社として同名の「よろづや観光」を設立して旅館経営事業を移管した。同時に旧よろづや観光は商号をワイエム企画に変更し、15年1月31日に株主総会の決議により解散した。
なお、新会社のよろづや観光は現在、「瑠璃光」など2軒の旅館を運営しており、経営は好調。北陸新幹線の開業効果などにより、15年4月期は大幅な増収を見込むという。