全日空、自動車部品会社とシート開発、6月から国内線のB767に

  • 2015年4月21日

 全日空(NH)は、このほど自動車部品メーカーのトヨタ紡織と共同開発した新たな国内線用普通席シートを、6月からボーイングB767-300型機に導入すると発表した。機内における快適さの向上を目的としたもので、NHは国内線で使用している20機のうち、機齢の若い6機に2016年度までに装着する。合計席数は1560席に上る。

 座席幅は17.5インチ、シートピッチは31インチ、配列は2-3-2で、従来と同様。現時点で同型機以外への導入については予定していないという。なお、トヨタ紡織が航空機シートの開発に携わったのはこれが初めてで、同社では将来的には、航空業界への参入も視野に入れる方針。NHによれば、同社は現在、シートおよび関連部品を海外メーカーから購入しているため、トヨタ紡織が参入すれば、購入やメンテナンスの際の利便性が向上するという。

 NHによれば、両者が開発に要した時間は約3年間。トヨタ紡織がシート開発で培った座り心地の知見を活かし、さまざまな体型の搭乗者がリラックスできるシートを追求したという。

 新たなシートは、骨盤をしっかり支持することで腰周りの筋肉の疲労を抑え、座り心地を向上。身体にかかる圧力をバランスよく分散するよう、背もたれや座面の形状、高さ、長さ、角度、構造を設計したという。また、使いやすさにもこだわり、テーブルやアームレストの高さや位置、形状などを、さまざまな様々な角度から検証した上で設定したという。

新シートのイメージ