熊本県の温泉旅館「山海館」が破産申請、負債総額6億円

  • 2015年4月21日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、熊本県水俣市の「山海館」は4月15日に事業を停止し、破産手続を竹中・本田法律事務所の本田悟士氏に一任した。負債総額は6億円。

 「山海館」は1953年、水俣市の温泉地「湯の児温泉」内に設立。1988年11月に約8億円を投じて旅館を全面改装し、客室71室、大広間3室を備えるなど、湯の児温泉ではトップクラスの規模を誇っていた。また、30メートル続く洞窟風呂やオーシャンビューの露天風呂などで人気を集め、ピーク時の年間売上高は6億円台に上った。

 しかし、バブル崩壊後は近隣の観光資源不足やアクセスの不便さにより次第に客足が遠のき、団体客も減少。温泉ブームを見込んでおこなった全面改装の結果、金利負担などから収益が悪化し、慢性的な赤字経営から資金繰りも逼迫した。その後、日帰り客の獲得などにも注力したが集客が伸びず、近年の年間売上高は1億円程度に留まっていた。