エクスペディア・アフィリエイト・ネットワーク、エフネスとの連携強化
エクスペディア・グループでアフィリエイト方式によるホテル客室販売事業をおこなうエクスペディア・アフィリエイト・ネットワーク(Expedia Affiliate Network (EAN)は、このほどエフネスの旅行会社向け宿泊施設予約サイト「Rikisha Easy REZ(ERZ)」に、EANのコールセンターのバックエンドシステム「Voyager」を開示した。これにより、従来はエフネスがEANのコールセンターに電話で問い合わせていたさまざまな案件がERZ側でシステム対応可能になり、取引先に対しても迅速なレスポンスなどが可能になるという。
EANによれば「Voyager」の開示は、これまで3年半にわたりパートナー関係を続けてきたエフネスの実績を評価したもの。エフネスはERZ開設からの3年半で取引会社を約2000社強にまで拡大しており、EANアジア太平洋地区シニアマネージャーの松尾裕美子氏は、「今後も成長を見込めるパートナーとして信頼している。このシステムを開示していること自体が、エフネスとのビジネスを重視していることの証」と語る。EANによれば、アジア太平洋地区で同システムを開示しているパートナー企業はわずか5社程度。そのうち日本は2社のみで、オフラインの旅行会社はエフネスのみとなる。
今後、両社間においては、エフネスからEANへの問い合わせの電話が大幅に減り、業務の効率化が進む見込みだ。エフネス執行役員の櫻井克己氏によれば、開示を始めた3月上旬以降には、EANコールセンターへの問い合わせの本数は半分以上に減少。エフネスは取引会社に対して迅速なレスポンスをおこなえるようになったほか、「複雑な案件に対して割ける時間が増加した」ために、さらなるサービスの向上が期待できるという。
一方でEANは、今年の7月以降はコールセンターにERZ専属スタッフの配置を計画。レスポンスの迅速化による販売機会の拡大に加えて、コールセンターの人件費削減などが可能になる。
櫻井氏によれば、エフネスでは今後もERZの改良を進めて、「オフラインで最も使い勝手の良い、旅行会社向けの宿泊施設予約ツール」を作り上げる考え。現在は「(国内の旅行会社向け宿泊施設予約サイトの中で)恐らく3番手ぐらいの位置につけている」というが、マップ検索機能などを改善し、そのほかの機能もさらに追加して、業界内でのさらなる地位向上をめざすという。EANの日本アカウントマネージャーの森本高史氏も「ERZの改良にはEANも協力していきたい」と意欲を示す。
EANは2011年、日本市場での旅行会社経由による取扱拡大に向けてエフネスと業務提携を締結し、エフネスはERZを開設。同サイトでは、エクスペディアが持つ全世界のホテルのほぼすべてを、同社の消費者向け宿泊代金と同額で仕入れることが可能で、利用総額のうち一定の割合をコミッションとして日本円で返金している。エフネスはウェブサイトの運営に加えて、旅行会社への営業や宣伝広報活動などをおこない、EANは専用のコールセンターを設けて、予約関連の問い合わせに対応している。