14年度旅行業倒産は8件減の34件、8割が販売不振-TSR調査
東京商工リサーチ(TSR)によると、2014年度(2014年4月~2015年3月)の旅行業の倒産件数は、前年度比17.0%減の34件で、8件減少した。負債総額は19.0%増の55億1500万円で、前年度から8億8100万円となった。東日本大震災関連の倒産は1件で、前年度の8件から大きく減少した。
同社では、消費税率の引き上げなどが中小企業の経営に影響を与えたものの、金融機関の対応や政府の景気対策が、全体的な倒産件数の減少に影響を与えているとの見方を示している。なお、全業種を含めた全国の企業倒産件数は9.4%減の9543件だった。
一方で、イスラム過激派によるテロの発生や、円安傾向の継続などは、海外旅行を取り扱う中小旅行会社の経営を圧迫。2014年度の倒産の半数以上は負債総額1000万円未満で、倒産理由の8割は販売不振だった。
2014年の主な倒産は、8月に負債18億400万円を抱えて破産したロータリーエアーサービス、3月に負債8億9900万円で事業停止したワールドストリーム、11月に負債4億5000万円で破産した日本国際旅行開発など。
なお、15年3月単月の倒産は3件で、前年の5件から2件減少した。負債総額は10億1900万円で、前年から7億700万円増加。ワールドストリームの負債が大きく影響した。震災関連の倒産は1件だった。