国交省、5月末までタイ航空会社の増便など認可へ、既存路線・機材限定で

  • 2015年4月3日

 国土交通省はタイ国籍の航空会社の増便、チャーターについて、5月末まで、条件を満たした航空会社を対象に認可を再開する予定だ。タイ航空当局と協議し、4月2日に合意したもの。タイ側と連携して十分な安全性を確認した上で、現在就航している、または就航していた航空会社で、就航実績のある路線、機材で運航する場合に限り、許可する計画だ。

 同省では国際民間航空機関(ICAO)とタイ国政府間で、安全上の課題について協議されていることを受け、新規就航や増便、チャーターなどの認可を中断していた。4月3日の定例会見で、国土交通大臣の太田昭宏氏は今回の措置について「多客期を間近に控えていること、そして日タイ間の重要かつ友好的な二国間関係を踏まえて、安全性確保を前提としながら2ヶ月間の暫定的な措置をとることになった」と説明。6月以降については中長期的な対応について、タイ航空当局と引き続き協議を続けていくとした。

 一方、新規就航の航空会社や路線については「新規はない」と明言した。なお、新規就航についてはタイ・エアアジアX(XJ)が5月1日から新千歳/バンコク(ドンムアン)線の直行便を予定しており、ノックスクート(XW)も日本/バンコク間の定期便開設を計画していた。

 航空局によると、今後は「安全性の確認をした上で手続きを再開する」予定。現在タイ側で航空会社各社の安全性の確認をおこなっているところで、タイ当局が調査結果を国土交通省にとりまとめて報告し、国交省が確認次第、認可を再開する予定だ。4月3日17時30分現在、まだ許可を再開した航空会社はないという。

 こうした動きを受け、航空会社からは再開に対する期待の声が挙がった。ただし、タイ当局の調査に時間がかるため、チャーターを中止する会社も出ている。ジェットアジアエアウェイズ(JF)では7日にも当局の調査があるため、4月7日、8日に予定をしていた臨時便をキャンセルしたという。また、アジア・アトランティック・エアラインズ(HB/AAA)は4月10日から成田/バンコク間で7往復を予定しており、ゴールデンウィーク期間には成田/デンパサール間を1往復おこなう計画。いずれも就航経験はあるといい、早期に認可がおりてほしいと期待を示した。

 4月からゴールデンウィーク期間については、タイ国際航空(TG)が小松、広島、熊本、那覇間でチャーターを5本計画していたが、3月時点で中止を決定。今後は旅行会社側からの要望があればチャーターを実施するが、販売期間を考えると実現は難しいとの見方だ。なお、チャーターはエイチ・アイ・エス(HIS)やジェイティービー(JTB)、ジャンボツアーズなどによるもので、中止により計1000人以上の乗客に影響がでたようだ。各旅行会社ともに、旅行者に代替便などを案内しているところだという。