ピーチ、成田/福岡・新千歳線就航-平均搭乗率は93%
ピーチ・アビエーション(MM)は3月29日、成田/福岡、新千歳線を就航した。初便の搭乗者数は成田発福岡行きが166人、福岡発成田行きが167人、新千歳発成田行きが167人、成田発新千歳行きが170人。4路線の初便平均搭乗率は93%となった。運航機材はエアバスA320型機、座席数は180席。
同日開催した福岡線の就航記念式典で、MM代表取締役CEOの井上慎一氏は「(2路線開設が)成田の関空、那覇につぐ第3の拠点空港への第一歩となればと期待している」と語った。ただし、機材の夜間駐機については「視野に入れながら(活動していく)」としながらも、具体的なタイミングなどのコメントは避けた。
同氏によると、2013年10月に開設した成田/関空線は「搭乗率を含め、非常に人気の高い路線の1つ」。今回は首都圏や札幌、福岡から「もっと成田線を飛ばして欲しい」という要望があり、就航を決定したという。
成田/福岡線は同じ本邦LCCのジェットスター・ジャパン(GK)が、新千歳線はGKとバニラエア(JW)が就航しているところ。井上氏は、欧米ではLCCのシェアは約4割だが日本はまだ約7%とした上で、「成田は首都圏であり、首都圏はまだまだ掘り起せていない潜在需要があると確信している」と強調。他のLCCとは「深刻な競争にはならないのでは」との考えだ。
井上氏は同社の利用者の傾向について「お客様がご自身でピーチの使い方を考えている」と説明。一例として関西の乗客がMMで韓国に日帰り旅行をするなど、飛行機を使った日帰り旅行のムーブメントが拡大していることを挙げ、「お客様に“おもろい航空会社”として使っていただきたい」と語った。
首都圏での展開では「値段と差別化が鍵」との考えで、安全運航での確実なオペレーション、毎日の低価格運賃の提供、イノベーションを通した新しい顧客価値の創造、ブランディングの4つのキーワードを挙げた。このうち、安全運航についてはジャーマンウィングスの墜落事故に触れ「安全なくしてビジネスなし、という航空事業の本質を改めて痛感した」とコメント。今回の出来事を踏まえてより安全への取り組みを強化していく考えを示した。
このほか、井上氏は首都圏発の国際線の就航の可能性についても言及。明確な時期は避けたが、羽田、成田発とも「視野には入っている。片道4時間が我々の基本的なビジネスモデルだが、その範囲内に入れば」検討の対象になると語った。
成田/福岡、新千歳線の運賃は、福岡線が4790円から、新千歳線が3990円から。なお、MMでは4月5日23時59分まで、成田2路線就航を記念したセールを実施中。国内線11路線を片道1500円から、国際線3路線を2000円から販売するもので、成田/新千歳は1500円から3980円、福岡線は1500円から4280円とした。搭乗期間は4月7日から6月30日までで、一部除外日を設けている。