京都でILTM JAPAN第3回、48セラー・55バイヤー参加-16年は2割増へ
3月16日、京都でラグジュアリー・トラベル専門の商談会「ILTM JAPAN」が開幕した。ILTM(International Luxury Travel Market)は世界各地で開催されている富裕層向けの旅行商談会で、アウトバウンド・インバウンドの両方が対象だ。今年はセラー48社、バイヤー55社が参加しており、このうちセラーはアウト20社、イン28社が、バイヤーはアウト25社、イン30社が参加。17日、18日に約1340件の商談がおこなわれる予定だ。
ILTM ポートフォリオ シニア・エキシビション・ディレクターのアリソン・ギルモア氏は同誌のインタビューに応え、「3年間継続することで、ILTMの認知度も高まってきた」と振り返った。来年も日本国内で開催する予定で、セラー、バイヤー共に今年の2割増をめざす。ただし、大規模なイベントにするのではなく「小規模で密にコンタクトできる環境は保ちたい」考えだ。
ILTMではすでにアジアを対象にした「ILTM アジア」を開催しているが、日本市場は「国際的な観点ではリーチしにくく、参入しにくい市場」であることから、特化したイベントを開催し、参加者同士のネットワーク構築の場を提供したいとした。特にインバウンドについては、近年国を挙げて観光プロモーションを展開しているところだが、まだ情報が不足している状態だといい、長期的な視野でのプロモーション強化の必要性を説いた。
また、ギルモア氏はラグジュアリー・トラベル市場についても言及。アウトについては、円安傾向など経済動向にかかわらず「(マスマーケットとは異なり)旅行することを止めない」状態。日本の富裕層市場は世界で第2位の規模であるといい、海外でも「質の良い旅行者として歓迎されている」ことから、旅行会社に対し、積極的な送客を呼びかけた。
一方、インについては2020年の東京オリンピック・パラリンピックが決定したことを追い風としてラグジュアリー層の注目が高まっており「非常に大きなポテンシャルがある市場」と強調。20年前と比較すると、多言語表示やインフラ整備で外国人が旅行しやすくなってきていると述べた。また、日本人が考えているほど「言語の壁はない。たまには言葉を通じないのも楽しいのでは」とし、「それよりも、ゲストを歓迎する空気の醸成が重要」と指摘。ILTM JAPANを通じて「富裕層が本当に求めているものは何か、情報収集をして欲しい」と語った。
また、16日には京都市主催のオープニングパーティーが開催された。京都市長の門川大作氏は、米国の「TRAVEL+LEISURE」誌の「世界で最も行きたい都市、憧れの都市」で京都市が1位に選ばれたことを説明。今年は191以上の新しい事業を展開すると意欲を語った。今後は京都ならではの伝統文化や産業について「外国人がしっかり感じて、喜んでいただけるような取り組みを市民全体で展開していく」といい、さらに富裕層へのアプローチを強化することで、サービスの底上げをはかりたい考えだ。
▽訂正案内(2015年3月18日12時38分)
・訂正箇所:第1段落
誤:・・・バイヤーはアウト30社、イン20社が参加。17日、18日に約140件の商談がおこなわれる予定だ。
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正:・・・バイヤーはアウト25社、イン30社が参加。17日、18日に約1340件の商談がおこなわれる予定だ。