ニューイングランド、AAの活用提案、ボストン以外にも送客
マサチューセッツ州など米国東北部6州の観光プロモーションを担うディスカバーニューイングランド(DNE)は3月17日、都内で旅行会社担当者などを対象としたセミナーとワークショップを開催した。毎年の同時期に、現地からのミッションの来日にあわせて実施しているもの。この日はDNEが最新の観光情報を提供したほか、一昨年秋にUSエアウェイズ(US)と合併したアメリカン航空(AA)がプレゼンテーションをおこない、USのネットワークを活用した同地域への送客ルートを提案した。
AA代理店営業部アカウントマネージャーの和田喜久郎氏は、AAがUSと合併したことにより、本土の中部と東部においては最大の路線シェアを獲得したことを説明。また、JLとのジョイントベンチャーも開始し、太平洋路線を強化したことで、日本から米国東海岸へのアクセスの利便性が大きく向上したことを強調した。
ニューイングランド地方については、USがハブ空港としていたワシントンDCのレーガン・ナショナル空港を獲得したことで、6州すべての主要都市へネットワークを拡充できたと説明。往路ではAAの成田/ダラス/ワシントン線とワシントン/バーリントン線を乗り継いで同日中にニューイングランド入りし、帰路はJLの成田/ボストン線で帰国する周遊ルートなどを提案した。
この日はそのほか、来日したDNEボストン事務所マーケティング・コンサルタントの平尾尚子氏が、6州の最新の観光情報について説明。同地域最大の都市で、ボストン美術館やボストン交響楽団などを擁するマサチューセッツ州ボストンの最新の観光情報について紹介したほか、バーモント州、ニューハンプシャー州、メイン州、ロードアイランド州、コネティカット州についても、主要な都市やエリアについて魅力を紹介した。
平尾氏によれば、同地域の観光の中心であるマサチューセッツ州への2014年の日本人訪問者数は約7万人。2013年は約7万8000人に上ったものの、円安や消費増税などが影響したという。その他の5州を合わせたニューイングランド地方全体では、2014年の日本人訪問者数は8万人程度になるとの見通し。
DNEでは今後、USなどのネットワークを活用してボストン以外への送客を増やすとともに、ターゲット層の拡大にも取り組みたい考え。同地域を訪れる日本人は、美術や歴史への感度が高いシニア層が中心となっているが、ハイキングなどのアクティビティーを楽しむ比較的若い世代についても、需要の掘り起こしをはかる考えだ。