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地方創生に貢献 井垣篤司さん(フェリーさんふらわあ常務)(1)

 1万円の乗船料で船内2泊、現地0泊の九州観光を楽しめる弾丸フェリー、瀬戸内海の昼間の景色が満喫できる瀬戸内感動クルーズといったユニークな企画を連発するフェリーさんふらわあ。フェリーを使って九州観光の活性化を図る取り組みも行い、国の地方創生にも貢献している。同社常務取締役の井垣篤司さんに話を聞いた。

 PR」やツアー造成 フェリーで地域を活性化
-今、取り組んでいることを教えてください。

 大分県では2015年に観光入込客数を1900万人、県内宿泊客数520万人、そのうち外国人宿泊客数39万人、グリーンツーリズム宿泊数2・4万人を目標とした「大分県ツーリズム戦略」を進めています。

 そのなかの「交通事業者(鉄道、フェリー、航空機)と連携した商品づくりなどによる誘客促進」という項目の「フェリー」というのは当社のことです。さらに「鉄道、フェリー、航空事業者等と連携した情報発信」に入っている「フェリー」も当社です。

  大分県が戦略を立てた中に「フェリー=当社」として文言に入れていただいていることは、誘客と宣伝の任務を与えられたと捉えています。これを機にフェリーさんふらわあの船内で豊後高田の昭和の町を再現したり、雛祭りで有名な日田・杵築両市の雛人形を飾ったりしてきました。現在は臼杵フェアを実施中です。臼杵のフグは九州では有名ですが関西では知られていませんし、臼杵といっても場所もわかりません。まず別府に来ていただいて、臼杵のフグを食べに行く流れをつくりたいと考えています。

 フェリーの半券を臼杵のお店でご提示いただくと、肉厚で新鮮なふぐ料理のランチを食べることができます。また、船内では臼杵の石仏大日如来像の仏頭の模型をはじめとする臼杵のPRコーナーや、レストランでは臼杵を代表する食材を提供しています。パンフレットを作るなど臼杵の食材、観光案内に一体となって取り組んだのは初めてです。

 これをきっかけに隠れた食材を見つけ、行政と共同で情報を流し九州全体への送客につなげたいと思います。臼杵のように全国的に知られていないところを前面に出して集客するというのは厳しい面があります。今後とも由布院や別府といった全国に名を知られた観光地とセットで告知していきたいですね。

 3月21日に東九州自動車道の佐伯-蒲江間がつながります。これにより大分、宮崎両県が一緒になって誘客しようという話がまとまっています。

 佐伯市と延岡市までの道が東九州伊勢えび海道と名付けられています。伊勢えびや緋扇貝(ほたて貝に色がついたもの)といったような佐伯と延岡の特産である食のアピールを提案し、食の部分からツアー化していこうと思っています。

 こういった当社の取り組みは国が進める地方創生に連動したもので、今後も強化していきたいところです。さんふらわあには年間50万人が乗船し、九州への送客の一翼を担っています。この数字をベースに九州における地方創生のお役に立ちたい。

 

情報提供:トラベルニュース社