TCEB、MICEでバンコク以外の多様な地域アピール-団体に支援金も

  • 2015年3月8日

(右から)TCEBミーティング、インセンティブ&コンベンションデパートメントディレクターのビチャヤ・スントーンサーラトゥーン氏、MICEジャパン代表取締役社長の森口巳都留氏  タイ国政府コンベンション&エキシビションビューロー(TCEB)はこのほど、都内でMICEに関するロードショーを開催した。TCEBミーティング、インセンティブ&コンベンションデパートメントディレクターのビチャヤ・スントーンサーラトゥーン氏は業界誌らの取材に応え、日本のMICEは「2014年はかなり落ち込んだ」と振り返るとともに「当面は2013年レベルの6万人に戻すことをめざしたい」と語った。

 TCEBによると、2014年の海外からのMICE訪問者は、前年比10%減の90万人。日本からは50%減の3万人と半減しており、13年は中国、インド、マレーシアに次ぐ第4位だったところ、14年は9位に転落。タイではMICEのための予算を20%増の8億バーツ(約29億6300万円)に増やしており、日本を含む海外からの誘致を強化していく考えだ。

 スントーンサーラトゥーン氏は日本市場の減少は政情不安の影響が大きかったとの見方を示した。「今は政情不安が解消されており、今年中には憲法が改正される予定」と安全性を強調した。

 また、日本市場はMICEのうちMとIが多く、訪問者のほとんどがバンコクに集中していると現状を説明。タイならではの文化やホスピタリティを訴えることで「タイらしさ」をピーアールし、地方への誘客をめざす。

 MICE開催都市としてはシンガポールなど周辺諸国との競合もあるが、同氏は「タイにはバンコクだけではない、多様なデスティネーションと文化的な独自性がある」とアピール。チェンライやチェンマイ、コーンケーン、カンチャナブリ、パタヤ、ホアヒン、パガン、サムイ、クラビ、プーケット、ハートヤイの11都市を紹介した。

TCEBのビチャヤ・スントーンサーラトゥーン氏  また、同氏は日タイ間の経済的なパートナーシップについて言及。2015年中のASEAN経済共同体(AEC)発足に向けてタイでの投資が活性化しており、日本企業にとって様々なビジネスチャンスがある点を強調していきたいと語った。

 TCEBはMICEジャパンを日本での代理店に指名しており、今後キャンペーンを展開していく予定。セミナーではTCEB日本オフィスプロジェクトマネージャーの金田翔吾氏がTCEBの支援内容を紹介した。30名以上の団体には、人数に応じて到着の出迎えやイミグレーションへの誘導、ギフトの贈呈、伝統舞踊の提供のサポートをおこなうとした。原則として、ツアー催行の最低1ヶ月前の申請が必要だ。また、9月30日までは200名以上の団体に対し10万バーツ、500名以上に30万バーツ、1000名以上に100万バーツの支援金を提供。タイ国内に最低3泊以上することが条件で、ツアー催行の2ヶ月前までに申請する必要がある。申請はTCEB日本オフィスで受け付ける。

 このほか、セミナーではタイ国際航空(TG)が新千歳、東京(成田・羽田)、大阪、中部、福岡の日本全国5都市から4月1日現在で週75便を運航しているとアピール。午前便は5都市から同じ時間帯にバンコクに到着し、最大で差が50分であることから、地方発団体が合流しやすいとメリットを訴えた。