北陸新幹線開業まで1カ月-沿線の魅力アピール(2) 加賀温泉郷「ていねい」宣言

 北陸新幹線の開業で首都圏から近くなる加賀温泉郷を大手旅行会社にアピールしようと2月16日、加賀市などが主催する観光説明会と懇親会が東京・目黒の雅叙園で開かれた。

 懇親会には久保成人・観光庁長官や平田竹男・内閣官房2020年オリンピック・パラリンピック東京大会推進室長らが出席し、加賀市の力の入れようをうかがわせた。千載一遇のチャンスを生かすよう、両氏は壇上からエールを送った。

 当日は加賀市の宮元陸市長がJTBなど大手旅行会社を訪問しトップセールス。雅叙園では旅行会社の社員を招いた。

 新幹線開業を前に加賀温泉郷が打ち出した観光キャッチフレーズは「加賀ていねい」。この地が誇る伝統工芸である九谷焼や山中漆器を育んだ、ていねいな仕事ぶり、ていねいな職人技から加賀ていねい。加賀温泉郷は人が、施設が、温泉が、遠方からのゲストをていねいにおもてなしするという宣言だ。

 全体説明会で担当者が強調したのは「加賀ていねい」と、金沢駅から加賀温泉駅までは電車で25分の近さという2つ。「お泊まりは加賀温泉郷で」とアピールした。

 温泉ごとの紹介では、山代温泉は明治時代の共同浴場を復元した「古総湯」と新築した「総湯」、九谷焼の鑑賞や体験ができる施設について説明。山中温泉は「1300年に及ぶ、おもてなしの精神が継承されています。加賀のおもてなしをぜひ、体験してください」。山中漆器や古九谷、温泉郷に唯一残る芸妓衆が、情緒ある芝居小屋、山中座で定期的に公演していることなどを紹介した。片山津温泉は柴山潟のナイトクルーズへの参加を呼び掛けた。

 懇親会でJTB首都圏の生田亨社長は「北陸旅行は対前年比で600%と好調です。宿泊は金沢市が60%で加賀市は10%です」と販売状況を説明。「しかし、東京から2時間半の距離にはライバルがひしめいています」と、開業ブーム後を見据えた取り組みに期待した。

 びゅうトラベルサービスの内山尚志社長は「北陸商品は大きく伸びています。一過性にしないことを旅行会社の使命として取り組んでいきます」と決意を示した。

 

情報提供:トラベルニュース社