KNT、15年団体は粗利率引き上げ、個人は引き続き専門性追う
▽KNT個人、14年ホリデイ36%減も、事業転換へ変わらず強い意思
KNT個人では2014年、薄利多売型の商品を大幅に減らし、企画力の向上など旅行のプロとしての事業展開に繋がる施策を進めたが、結果として送客数全体が落ち込んだ。同社代表取締役社長の岡本邦夫氏によると、ホリデイの取扱人数は多くの方面で前年を割り込み売上が34%減となるなど、「まったく振るわない、厳しい結果」となった。
もともと、個人旅行事業は2013年の時点で「経営基盤に大きな影響をもたらすほどの大きな赤字」を計上しており、2014年は赤字の支店や商品の削減をめざして「当初からある程度の減収は覚悟していた」が、想定以上に落ち込んだという。2015年は、売上の回復に向けて「ある程度のリスクを伴った低価格商品の販売を拡大する」。
ただし、航空会社による機材小型化やウェブ直販の推進、LCCの台頭など経営環境が変化する中で、「従来の販売戦略である、主としてボリュームインセンティブをあてにした送客人数を第一に考える手法では利益は残せない」とも指摘。
「店頭、提携販売店からは安くて売りやすい商品が求められるが、それでは店舗の存在意義はなく、インターネットに取って代わられる」との危機感のもと、商品と販売手法の改革を喫緊の課題として引き続き強力に推進する考えだ。
具体的には、ホテルとフライトを組み合わせるのみの「ハード中心の企画」から、新しい素材やイベントを組み合わせ、あるいはチャーターを活用してオフラインのデスティネーションに送客するなど「ソフトを充実した企画」へ軸足を移していく。そのための手段としては、今年も「現地に行く、現物を見る、現実を知る、の“三現主義”を実践」する。
このほか、商品の改革と同時に、質を高めたその商品を売る専門店の拡大と「顧客創造」も急務として取り組んでいく計画だ。