航空局長、日系の燃油サーチャージ円建て化「透明性を確保」と評価
国土交通省航空局長の田村明比古氏は2月20日の専門誌会見で、このほど日本航空(JL)と全日空(NH)が燃油サーチャージ条件を変更したことについて「消費者の利益のために透明性を高めたと思っている」と述べた。2社は航空券の日本販売分について適用ゾーンを米ドル建てから円建てに改定。田村氏は「予見可能性を持てる形でお示しをすることは非常に重要。今回はそういう意味で改善できたのではないか」との考えを示した。
今回の改定では、現在の為替レートでは以前の適用条件表よりも値下げ幅が低くなっているが、これに対し田村氏は「短期的に見ると下がる局面では下がっていないということになる」としながらも「今後上がる局面で上がりすぎたということが起こるかもしれない。短期的に見ないで、もう少し中長期的に見ていただいた方がいい」と話した。
なお、観光庁長官の久保成人氏も、2月19日の専門誌会見で「(燃油サーチャージは)為替市場における変動が自動的に反映されることから透明性は確保されたが、現在の円安の局面では旅行者の期待ほど値下がりはしなかった」と言及。燃油サーチャージについて詳しい旅行者もいるとし、その上で「航空会社にはそういうことを承知の旅行者の理解を得られるように努めていくべきだと、観光行政サイドとしては考える」と意見を述べた。
燃油サーチャージについては、日本旅行業協会(JATA)が航空局や観光庁に対し、燃油サーチャージの本体への一本化を求めており、昨年2月にはJATA、航空局、観光庁、定期航空協会が実務者レベルの第1回会合を開催した経緯がある。JATA事務局長の越智良典氏は今回の変更を受け「JATAとしては遺憾に思う」とコメントした。