旅行業・観光業DX・IT化支援サービス

KNT-CT、14年はホリデイ大幅減などで低迷-団体、クラツーは伸長

  • 2015年2月15日

KNT-CTホールディングス代表取締役社長の戸川和良氏 KNT-CTホールディングスの2014年12月期通期(2014年1月1日~12月31日)連結業績で、売上高は前年比3.3%減の4334億3200万円、営業利益は13.1%減の33億7700万円、経常利益は15.8%増の40億9800万円となり、当期純損失は12億5400万円となった。クラブツーリズムとの経営統合により、旧近畿日本ツーリストグループの超過収益力を前提としたのれんを計上していたが、想定していたよりも収益の達成に遅れが生じたことから、未償却残高21億7700万円を減損損失として特別損失に計上した。同社は昨年12月に通期業績予想を発表していたところ。

 海外旅行は、昨年から開始した高付加価値商品の重点化が消費税増税などにより奏功しなかったほか、急激な円安などを受けてホリデイが大きく減少した。2月13日に開催した決算発表会見で、同社代表取締役社長の戸川和良氏は、主に個人旅行で取り組んだ価値訴求型商品へのシフトについて、「苦戦した。急に舵を切りすぎてうまくいかなかった」と説明。今年はエリアによっては、「低価格商品もバランスを取りながら販売する」ことにより、巻き返しをはかりたいとした。国内も貸切バス新運賃制度の影響や、前年の遷宮効果の反動などによりメイトが低迷した。

 事業分野別では、クラブツーリズムと近畿日本ツーリスト個人旅行、訪日旅行が分類される個人旅行事業は、売上高が6.8%減の2508億2100万円、営業利益が20.9%減の16億5400万円。近畿日本ツーリストによる団体旅行事業は、売上高が5.2%増の1055億9000万円、営業利益が11.2%減の17億7700万円となった。訪日旅行の売上高は、28.2%増の約112億円だった。

 個人旅行については、ホリデイが36.0%減となり、前年から約137億円減少。メイトは7.3%減で約60億円減少した。団体旅行については、海外は一般・学生ともに3%以上増加した結果、全体では3.6%増となり約10億円増加。国内は、8.8%増の学生が牽引し全体で4.9%増、50億円弱の増加となった。クラブツーリズムは海外が6.3%増で約33億円増加、国内は3.4%増で約36億円増加した。

次ページ>>>15年は増収増益を予想、営業利益は18%増目標に