全日空も燃油条件変更、実質値上げ-日本航空と同水準
全日空(NH)は2月10日、2015年度(2015年4月~2016年3月)の燃油サーチャージ適用条件表を発表した。従来は米ドル建てで区分していた適用ゾーンを、日本販売分については円建てに改定。燃油サーチャージをゼロとするシンガポールケロシン市況価格については、1バレルあたり60米ドルから6000円に変更した。6日には日本航空(JL)が、同様の適用条件変更を実施したところ。
現在の為替レートでは60米ドルは約7100円に相当。逆に6000円は50.6米ドルであり、従来ではシンガポールケロシンの市況価格が2ヶ月平均で60米ドルを切った時点で燃油サーチャージは徴収しないこととしていたが、現状の為替レートで新たな条件表を適用すると50.6米ドル未満に下がるまで燃油サーチャージを徴収することになる。
4月1日から5月31日の発券分については、日本発航空券の燃油サーチャージ額を現行から引き下げ。12月と1月までのシンガポールケロシン市況価格は平均71.02米ドルで、同期間の為替平均1米ドル118.85円を乗じれば8441円となるため、設定額が最も安い韓国では1000円が500円に、最も高いハワイを除く北米、欧州、中東、オセアニアでは1万4000円を1万500円に引き下げる。
しかし、市況価格71.02米ドルを現行の条件表にあてはめると、韓国は300円、北米などは7000円となるため、少なくとも現在の為替レートにおいては、現行の条件表からは実質的に値上がりすることとなる。
NHでは今回の変更の理由については、JLと同様に昨今の原油価格や為替レートの急激な環境変化を考慮したものと説明。適用ゾーンの区分を円建てに変更したことについても、日本市場の利用者に対して、「透明性のある対応をするため」としている。
▽NH、燃油サーチャージ額(2015年4月1日~5月31日)
路線/改定後/現行
韓国/500円/1000円
中国、香港、台湾、マカオ/2500円/3500円
ベトナム、フィリピン、グアム、サイパン/3000円/4000円
タイ、シンガポール、マレーシア、ミャンマー/4500円/6500円
ハワイ、インド、インドネシア/6000円/8500円
北米(ハワイ除く)、欧州、中東、オセアニア/1万500円/1万4000円