国交省、スカイマークに厳重注意、整備不十分で6便運航

  • 2015年2月1日

 国土交通省は1月30日、スカイマーク(BC)に対し、運航の際に必要な整備作業を怠っていたとして厳重注意した。1月19日に同社が運航したボーイングB737-800型機について、運航開始前に必要な操縦系統の作動点検の記録がないことを、20日に航空局が確認した。同機は整備の不十分な状態で6便を運航したという。

 BCによれば、必要な整備は昇降舵に関するもので、一部に不具合が見られたものの、必要な整備を実施すれば修理を持ち越して運航できる状態だったという。ただし同機を担当した整備士は、運航開始までに整備が必要との認識はあったものの、他の作業が集中しており、かつ操縦系統に特段の不具合が見受けられなかったことから、未整備のまま出発させていた。

 国交省は、「安全運航の前提である整備の確実な実施の観点から極めて遺憾」との認識を示し、BCに対して文書で厳重注意。整備作業に関する適切な指示と組織的な確認、保有する全機の整備作業、記録などの管理について徹底と再確認をおこなった上で、2月13日までに必要な再発防止策を報告するよう指示した。

 BCでは同機を運航から外すとともに、今回の問題に起因する不具合が発生していないことを確認。30日中に同社のウェブサイトで謝罪するとともに、「現時点での機材の健全性を確保している」と報告した。担当整備士については通常業務から外した上で、現在は処分を検討しているという。

 なお、同社は28日に東京地方裁判所に民事再生手続開始を申し立てているが、今回の問題と直接の関係はないとしている。