スカイマーク、民事再生法の適用申請、代表取締役も交代

  • 2015年1月29日

BC・A330型機 スカイマーク(BC)は1月28日、東京地方裁判所に民事再生手続開始を申し立てた。同日19時から取締役会を開催して決議し、すでに弁済禁止の保全命令と監督命令が発令され、ひいらぎ総合法律事務所の多比羅誠弁護士が監督委員に専任されている。運航は継続し、BC支援の意向を表明している投資ファンド「インテグラル」の支援を受けて事業再生に取り組む。

 BCの発表文面によると、1998年の定期航空運送事業免許の取得以来、安全と低コストを両立した定期航空運送サービスを提供し、2010年度には売上高約410億円、営業利益約31億円を計上するなど業績が堅調に推移してきたが、急激な円安の影響で、2012年6月から使用している10機のエアバスA330型機のドル建てリース料の支払いが負担となった。

 そして、競合他社との競争激化、燃油費の高騰、そしてエアバスからA380型機購入を巡って違約金を請求されたこともあり「自主再建は極めて困難」であるとし、民事再生手続開始の申し立てをおこない、インテグラルから資金支援、収支改善支援、運営支援などを受けることを決定した。

 今後の見通しとしては、東京地方裁判所と多比羅弁護士の監督のもと、インテグラルの支援と取引先、顧客などの支援や協力を得ながら安全、安定的な運航を維持し事業再生に取り組むという。株式については、同じく28日に東京証券取引所が3月1日付けで上場廃止とすることを発表した。

 また、代表取締役社長であった西久保愼一氏が同日付で辞任。後任として前取締役の有森正和氏が代表取締役社長に就くとともに、前取締役会長の井手隆司氏が代表取締役会長に就任した。井手氏は1976年にキャセイパシフィック航空(CX)に入社、1983年にブリティッシュ・エアウェイズ(BA)へ転職し、BCが定期航空運送事業の免許を取得した1998年、6月にBA日本地区営業部長に昇進し、BCに入社している。

 なお、BCによるとインテグラルは2007年創業で、日本国内の上場企業や未公開企業などを対象とした日本の独立系プライベートエクイティ投資会社。インテグラルはBCを「全面的にサポートしていく意向がある」ことを表明しているという。

 また、BCもウェブサイト上で顧客向けのメッセージを掲出。文章は、「スカイマークは、本日以降もかわらず安全第一に運航を継続致します。現在ご予約をお持ちのお客様は、変わらずにご利用いただけますので、安心してご搭乗を頂きますようお願い致します。」となっている。