JTB交流文化賞、最優秀賞は福井県小原の限界集落
ジェイティービー(JTB)はこのほど、第10回の「JTB交流文化賞」の受賞作品を発表した。同賞は、地域に根ざした持続的な交流の創造と各地域の魅力の創出、地域の活性化への寄与を目的として、2005年に創設したもの。第10回は2014年8月から9月にかけて募集をおこない、地域の組織・団体を対象とした「交流文化賞」と、一般の旅行者を対象とした「交流文化体験賞一般部門」、小中学生が対象の「交流文化体験賞ジュニア部門」の3部門で審査を実施。応募数は交流文化賞が61作品、交流文化体験賞一般部門が107作品、交流文化体験賞ジュニア部門が1063作品で、合計数が過去最高となった。
「交流文化賞」の最優秀賞には、福井県の「小原ECOプロジェクト」による「集落人口2人!!限界集落の挑戦」が受賞した。福井県勝山市の小原集落は住民が2人になった状況にも関わらず、古民家を修復した農家民宿を交流拠点に、地元大学や周辺住民と観光振興の取り組みを実施。また、交流人口年間1200人以上を目標に、農村文化や動植物の生態系、地形などを資源としたエコツアーを提供している。審査では、「極限の限界集落でもこれだけのことができる」という未来に向けた可能性や、限界集落の存続に対して「周辺都市と住民が共同で取り組むことが全国のモデルになる」という点が評価された。
優秀賞には、愛媛県の「NPO法人シクロツーリズムしまなみ」による「自転車旅行を支えるおもてなしのしくみ『サイクルオアシス』」と、石川県の「七尾山の寺地域振興会」による「七尾山の寺の日『等伯と山の寺千年史』」が選ばれた。
交流文化体験賞一般部門の最優秀賞は中島素子さんの「旅・賛歌!-なにがあっても旅は楽しい-」が受賞。また、交流文化体験賞ジュニア部門の最優秀賞は、小学生の部が曵汐奏輝さんの「三回目の富士登山」、中学生の部は下京田果歩さんの「亀岡で知ったぬくもり」となった。