14年訪日外客数は29.4%増の1341万人-15年は1500万人へ
日本政府観光局(JNTO)によると、2014年の訪日外国人旅行者数(推計値)は累計で29.4%増の1341万4000人となり、2013年の1036万4000人を大幅に上回った。ビザ取得要件の大幅緩和や消費税免税制度拡充に加え、アジア地域における海外旅行需要の拡大、円安進行による割安感の浸透などが寄与したほか、観光庁やJNTOなどによる訪日プロモーションなどが奏功した。また、訪日外客数と出国日本人数の合計が、1964年の調査開始以来、初めて3000万人を突破した。
国土交通大臣の太田昭宏氏は同日の記者会見で、「大変大きな数字が出た。2020年の2000万人達成がいよいよ現実味を帯びてきた」と述べるとともに、今年は1500万人を目標とする考えを表明。今後の課題としては改めて、観光ルートの拡大とその情報発信、観光資源のブラッシュアップ、地方における免税店数の拡大、WiFi環境の整備、多言語対応の強化、空港および港湾の容量拡大やCIQ体制整備、宿泊施設や貸切バスの確保などを挙げ、多面的に取り組みを進めたい考えを示した。
市場別では、主要18市場のうち英国とロシアを除く16市場が年間での過去最高を記録した。また、ロシアを除く17市場が前年比2桁増の伸びを示した。訪日外客数が最も多かったのは台湾の282万9800人で28.0%増。以下は韓国が275万5300人で12.2%増、中国が240万9200人で83.3%増と続いた。伸び率は中国が最も高く、以下はフィリピンの70.0%、タイの45.0%と続いた。
なお、JNTOによれば、12月単月は43.0%増の123万6000人で、2013年12月の86万4000人を37万2000人上回った。市場別では香港、シンガポール、マレーシア、インドネシア、オーストラリアが単月として過去最高を記録。韓国、中国、台湾、タイ、フィリピン、ベトナム、インド、米国、カナダ、フランス、ドイツが12月として過去最高を記録した。
▽2014年の累計訪日外国人旅行者数(前年比)
台湾 282万9800人(28.0%増)
韓国 275万5300人(12.2%増)
中国 240万9200人(83.3%増)
香港 92万5900人(24.1%増)
米国 89万1600人(11.6%増)
タイ 65万7600人(45.0%増)
オーストラリア 30万2700人(23.8%増)
マレーシア 24万9500人(41.3%増)
シンガポール 22万7900人(20.4%増)
英国 22万100人(14.8%増)
フィリピン 18万4200人(70.0%増)
カナダ 18万2900人(19.7%増)
フランス 17万8600人(15.3%増)
インドネシア 15万8700人(16.0%増)
ドイツ 14万200人(15.1%増)
ベトナム 12万4300人(47.2%増)
インド 8万7900人(17.1%増)
ロシア 6万4100人(5.9%増)
その他 82万3100人(19.8%増)