マカオ、15年はプロモーション本格再開、IRアピール強化
マカオ観光局は12月5日に開催したマカオ・メディア・セミナーで、2015年はIRをテーマにプロモーションを強化していく考えを示した。同局日本代表の榊原史博氏は「(今までの)世界遺産の街マカオから、それをベースにしたIRマカオをこれからは全面に出し、新しいイメージで展開していく」と方針を語った。
マカオ観光局では、尖閣諸島問題などで日中関係が冷え込んだことから、2012年9月以降、日本でのプロモーション活動を控えていたところ。今年から徐々に活動を再開しており今回約3年ぶりにメディア向けのセミナーを開催した。15年から本格的にプロモーションを再開していく。
2015年はIR先進地としてのマカオのイメージを全面に押し出すとともに、世界遺産の街と近未来の観光都市としての魅力を組み合わせて訴求していく。ターゲット層は女性をメインにした全世代とFITとした。さらに、ファーストタイマーの獲得や、IRなどの今までとは異なる新しいマカオをアピールすることでリピーター層の拡充もねらう。
また、来年は広告宣伝活動を強化。既存メディアに加え、SNSの活用などインターネットでの展開を拡充していく。さらに、メディア向けには年5回のファムトリップを計画中だ。今年西日本で実施したCMについても、来年は関東の各都市で展開する予定。このほか、旅行会社とのタイアップもおこなっていく。
マカオへの2013年の日本人訪問客数は、26.6%減の29万522人。2014年の1月から10月の累計は、前年比7.1%増の24万4920人と増加しており、榊原氏は「やっとリカバーした」と喜びを示した。競合するデスティネーションでは、香港が1月から7月までの累計で4.4%増と増加しているものの「中国はまだマイナス、韓国は2桁減がまだ続いている」といい、「そういうシビアな状況の中でマカオの伸び率が一番高いので、落ち込んだマーケットのトップを切ってやっていきたい」と意欲を示した。
このほか、セミナーではマカオの最新情報を紹介。今年12月にはハーバービュー・ホテル(444室)が開業するほか、2015年にはタイパにハリウッド・ルーズヴェルト・ホテル(373室)や、コタイのギャラクシー・マカオにJW・マリオット(1100室)やザ・リッツ・カールトン(250室)などがオープンする予定。2017年までに新たに13ホテルが開業し、客室数は1万2276室増、総客室数は5万室以上まで増える予定だ。
また、インフラ整備も進んでおり、香港とマカオ、珠海を結ぶ港珠澳大橋が2016年後半に完成する見込み。マカオ観光局日本地区マーケティングリプレゼンタティブの松本二実氏は、香港からマカオへの利便性が向上するため、日本/香港線を活用したツアーがより造成しやすくなるとした。このほか、2017年以降には、空港からマカオ全体を一周する全長21キロメートルのLRTも開業する予定という。