ニュージーランド航空、旅客倍増へB787就航-羽田にも意欲
ニュージーランド航空(NZ)は12月2日にボーイングB787-9型機就航記念レセプションを開催し、NZ日本・韓国地区支社長のスコット・カー氏は2019年までに日本発の旅客数、便数、供給座席数、売上、収益などを2倍にする「ダブルジャパン」戦略にとって、「B787-9導入が達成のための重要な1つの要素」であり、日本市場に対する期待の現れと説明した。NZが長距離路線にB787-9型機を導入するのは今回が初めてとなる。
NZでは現在、成田/オークランド線をデイリーで、成田/クライストチャーチ線を週3便で運航しているところ。カー氏は日本線について、旅客数は前年比7%増で、ロードファクターも「以前は70%前後だったが徐々に需要が増えてきており、80%に近づいてきた」と好調さをアピール。2014年は82%となる見込みを示した。
日本線はニュージーランド発の乗客が増加しており、以前は全体の2割だったところ4割まで増加。伸び率も14%増と2桁増だ。一方、日本発も6%増と前年を上回った。カー氏によると、両国の経済状況の好調さや、互いの国に対する興味・関心が高まっていることが要因だという。また、旅行会社の協力も増加の一因とし、旅行会社とのパートナーシップを引き続き重視していく姿勢を示した。
今後は、日本市場に対するプロモーションを強化していく方針。渡航者数が多い60歳以上のシニア層をコアターゲットに設定し、学生の語学研修や研修旅行、20歳から35歳のアクティビティ、冒険を好む層も取り込んでいく。2015年は映画「ホビット」のキャンペーンを引き続き実施。1月中旬から2月には、ショルダーシーズンである4月から10月の需要喚起をはかり、ニュージーランド政府観光局(TNZ)と協力したキャンペーンを展開する予定だ。
また、カー氏は羽田就航についても意欲を示した。2国間協議により、NZは深夜早朝時間帯での就航が可能で、日本国内の乗り継ぎや羽田空港までの交通手段などの課題はあるものの、現在研究を進めているところという。成田線については、アジアとヨーロッパの乗り継ぎのメリットもあるといい、羽田就航後も維持する。日本路線については東京に集中させる考えで、地方については全日空(NH)の路線網を活用。関空など他地域からの就航は「現在のところ検討していない」と語った。
B787-9型機はビジネスクラス18席、プレミアム・エコノミークラス21席、エコノミークラス263席の計302席。エコノミークラスのうち14列は、座席3席が平らなソファーになる「スカイカウチ」を搭載している。12月16日までは成田/オークランド線に1日1便導入。12月17日からはオークランド線に週4便とし、残りの3便とクライストチャーチ線はB767-300型機で運航。今後NZは合計10機のB787-9型機を導入する予定で、導入計画にともない、2015年中には日本/ニュージーランド間に週10便投入する予定だ。