スリランカ航空、新機材でサービス向上-JALとの共同運航もアピール

  • 2014年11月27日

レジェンドリーグス旅客営業本部長の川﨑恵一氏 スリランカ航空(UL)は11月26日、旅行会社向けのセミナーを開催し、日本市場における直近の取り組みについて説明した。今年4月にULの日本総代理店(GSA)業務を開始したレジェンドリーグスで旅客営業本部長を務める川﨑恵一氏は、ULが5月にワンワールドに加盟したこと、11月15日から成田/コロンボ線にエアバスA330-300型機の新機材を導入したこと、12月2日からアライアンスメンバーの日本航空(JL)とコードシェアを開始すると報告。「ULのデスティネーションはハネムーナーやシルバー世代など、様々なセグメントに対して伸びしろがある」とアピールし、旅行会社の積極的な活用を要望した。

 川﨑氏は新機材については、「少なくとも下期の日本線については、確実に新機材で運航する」と明言。フルフラットシートなどを備えるビジネスクラスについては、「格段にアップグレードし、他社のスタンダードに見合うプロダクトになった」と説明し、旅行会社には「自信を持って販売してほしい」と訴求した。

 なお、座席数はビジネスクラス28席とエコノミークラス269席の計297席で、これまで使用してきた機材に比べて数十席増加する。ただし川﨑氏は、今回の新機材導入はあくまでもサービスの質の向上を主眼に置いたものであり、当面は現在の週4便から増便しない考えを示した。

 JLとのコードシェアについては、ULが運航する成田、バンコク/コロンボ線、コロンボ/マーレ線にJL便名を付与するほか、JLの成田/仁川、釜山線と関空、中部/バンコク線、成田/伊丹、中部線にULの便名を付与する旨を説明。日本/コロンボ、マーレ間の選択肢が大幅に増えることで、「利便性はかなり高くなる」とアピールした。

JL路線統括本部国際提携部国際提携グループ長の児玉武氏 この日はJLの路線統括本部国際提携部で、国際提携グループ長を務める児玉武氏も挨拶。共同運航によるネットワーク拡大に意欲を示すとともに、ULのネットワークがモルディブなど「需要が伸びるマーケット」を多く有していることに期待感を寄せた。JLでは既に、マレーシア航空(MH)などとのコードシェアにより日本/モルディブ間で共同運航を実施しているが、リゾート需要の見込める同区間の選択肢が増えることは魅力だという。

 あわせて児玉氏は、「最大のメリットはJLの便名をつけて運航できること」と強調。UL運航便にJLの便名を付与することで、ジャルパックが造成するツアーに使用できるようになることが大きいとした。

▽成田/コロンボ線利用者は2割増、モルディブは競争激化

 ULはコロンボのハブ機能強化などに向け、2012年の夏ダイヤから、モルディブのマーレを経由していた成田/コロンボ線を、全てコロンボ直行便に変更。以降、成田/マーレ間は全てコロンボ経由となっている。しかしこの変更により成田/マーレ間では他社との競争が激化。現在では、ULの日本発便についてはコロンボ行きの利用者の数がマーレ行きよりも多くなっており、今後はかつての主力だったマーレ行きの利用者の奪回が課題になるという。

 一方、スリランカ政府と反政府組織「タミル・イーラム解放のトラ」の戦闘が2009年に終結し、同国政府が観光客誘致に注力し始めたこともあり、今年4月以降の成田/コロンボ線の利用者数は前年比で2割程度増加している。ロードファクターは平均で約80%に達し、利用客の7割から8割を日本人が占めているという。

訂正案内(編集部 2014年11月28日13時05分)
・訂正箇所:第2段落第1文の人名に誤りがありました。お詫びするとともに訂正いたします。
誤:河﨑氏

正:川﨑氏