ハワイ、15年は155万人目標、厳しい環境も予算増で積極展開へ

  • 2014年11月27日

 ハワイ州観光局(HTJ)局長のエリック高畑氏がこのほど本誌インタビューに応じ、2015年に日本人訪問者数155万人の達成をめざして活動する計画を説明した。2014年は2%増の目標を掲げ、大型キャンペーン「ウルトラハワイ」やアイドルグループ「嵐」のコンサートなどによる誘客を進め、最終的に1%程度の増加に着地する見込み。高畑氏は「全体では前年を割る中でキープできたことは良かった」と評価し、2015年も円安など厳しい環境を予測しつつ、ショルダーシーズンの対策などにより着実な成長をめざす考えを語った。

 2014年の振り返りとして、ウルトラハワイについてはまずファミリーや3世代の需要を喚起でき、結果としてファーストタイマーである子どもの来訪に繋がったことが成果であるとコメント。旅行会社13社との共同プロモーションも初めての試みで、足並みの揃え方など課題もあったものの、2015年以降も改善を重ねながら継続的に同様の取り組みを進めたいという。

 また、嵐のコンサートでは日本から1万5000人、アジアや米国など海外からも1万8000人が集結。訪問者数や現地消費額の引き上げ効果に加え、「ハワイでこのような大きなイベントをハンドリングできる、キャパシティがある」ことが実績として示せるようになったと強調した。

 2015年は、円安など経済的要因により厳しい環境になるとの予測。そうした中でHTJでは、引き続きファーストタイマー、隣島、MICEとハネムーンや記念日などロマンスマーケットを柱としてプロモーションを展開する方針だ。

 ハワイ側では、独自調査などにより日本市場の重要性が再認識されてきているといい、予算が従来の700万米ドルから800万米ドルに増額。こうした追い風も受けつつ、目標達成に向けてまず4月から6月までと10月から11月までのショルダーシーズンの需要底上げに取り組む。

 具体的には、航空会社やOTAを含む旅行会社とのキャンペーンを実施する考えで、例えば航空会社とのマイレージディスカウントや、楽天トラベルでのポイントアップといった企画を用意していく。

 さらに、ウルトラハワイに続く大型キャンペーンも関係各所と協議しており、年明けの発表を予定。このほか嵐の規模には及ばないものの、2015年、2016年に数千人単位の来訪を見込める音楽イベントを2件ずつ誘致することをめざして働きかけているという。

 このほか、ソーシャルメディアやウェブサイトなどHTJが持つメディアの統合やアロハプログラムの拡充も推進。アロハプログラムでは、旅行会社の店舗やハワイ関連のショップなどをHTJの「サテライトオフィス」として認定する仕組みも開始する予定で、すでに5店舗が内定。高畑氏は、初年度のうちに10店舗まで積み増したい考えを示した。

※インタビューの詳細は後日掲載予定